下宿少女 25
あの位置に置いてあったならば、部屋の中をのぞき込んで探さない限りは大丈夫なはずだ。
トーヤめ…これならそこまで慌てる必要も無かったんじゃないか?
にゃー…
「ッ!!?」
突然部屋の中に音が響く。
反射的にそちらを向くと、我が家のアイドルである黒猫のにゃん次郎が座り込んでいた。
「お前か…秋穂はどうした?」
「みー」
「答えられるわけないか…おいで。」
「にゃぅー」
取りあえずの危機は脱した。
俺はそう考えて、“週刊ロリッ娘パラダイス”をベッドの下に隠し、にゃん次郎と一緒に部屋を後にするのだった。
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「ふうっ…」
俺はあの後、夕食を終え部屋に戻った。
すでに入浴も済ませているから、後はもう寝るだけだ。
その前に…
「………」
俺はベッドの下から一冊の雑誌を取り出す。
題名は勿論…“ロリッ娘パラダイス”。
「…まぁ、折角だし、見ずに捨てるのもな…」
俺はそう言い訳をして、雑誌を読み始めた。
内容は2次元から3次元まで、様々な小学生や中学生たちが載っている。
たしか、トーヤのおすすめは13ページだったな…
「うおっ!?」
思わず声が出てしまった。
どうやら漫画のようで、ほかの作品とは違いカラーで掲載されている。
内容は男がかなり幼い少女に精液を搾り取られるというもの。
画力が他と比べて明らかに高く、少女の様々な責めは見ていて興奮する。
それでいて、責められると弱い少女のギャップがすばらしい。
「はぁ…はぁ…」
俺は無意識のうちにペニスに手が伸びていた。
左手でページをめくりながら右手を股間に持っていく。
たまにはこういう異常な作品もいいかもしれない…
コンコン…
「っ!?」
突然、室内にノックの音が響く。
俺はすぐに布団を被り、雑誌とペニスを隠す。
ズボンを上げる暇もなく、ドアが開かれた。
「…失礼します。」
「あ、秋穂!?」
室内に入ってきたのは秋穂だった。
風呂上がりなのか、ほんのり頬を上気させ、髪の毛からはシャンプーの香りを漂わしている。
「ど、どうした?珍しいな、お前が俺の部屋にくるなんて…」
「…ええ、少しだけ聞きたいことがあったので。」
そう言いながら、秋穂は後ろ手にドアの鍵をかけた。
ガチャリという音が室内に空しく響く。
「き、聞きたいこと?何だ?」
「…どうして、そんなに慌てているんですか?」
「そうか!?そんなことないぞ!?」
秋穂はゆっくりとベッドに近づいてくる。
まずい…今ズボンを上げようと動けば怪しまれるかもしれない。
「…それに、どうして私が入ってきたのに布団からでないんですか?」
「いやー…今夜は冷えるからな!!!布団から出たくないんだ!!!悪いな、こんな格好で…」
「…では、最後に一つ。」
すでに秋穂は俺の目の前にいる。
俺にはこの質問が何を意図したものなのか分からなかった。
しかし、次の秋穂の言葉に凍り付く。
「…夕方に部屋の入り口に落ちていた、興味深い内容の雑誌をどこに隠したんですか?」
「っ!!?」
空気が凍った。
秋穂を見る俺の顔は、さぞ間抜けだったことだろう。
それに対して秋穂は微笑を浮かべ、布団に手を伸ばし引き剥がす。
「あっ…」
中からはペニスを勃起させ、ズボンをズリ下ろした素っ裸の下半身と“ロリッ娘パラダイス”が出てきた。
しかもご丁寧に、オナニーのネタにしていた漫画のページを開いた状態で。
「あ、秋穂…これはな…」
秋穂は無表情に俺を見おろしてくる。
何を考えているのか分からず、とても怖い。
「…この変態。…恥ずかしくないんですか?こんなところを見られて。」
「うっ…」
秋穂から出てきたのは侮蔑の言葉。
しかし、今の俺にはその言葉が、漫画の中の少女と重なって興奮の元になる。