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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 48

「きっとドワーフ族の最後の生き残りは、もともとの魔界の歴史には存在しなかったけど、いろいろ変わっちゃったせいで現れたのね。
ヴァルキリーと四大種族を滅ぼす敵か。
それとも、魔王様の協力者か。
あたしにもわからないのよね……」
リリスはそう言ってから、エルフィーヌから取り上げた水晶玉をじっと見つめていた。
「捕まっているのがエルフ族とダークエルフ族だけで獣人族やハーフリング族がいないのは、なんでだ?」
神崎修司が気がついて言った。
「わからないわ。
でも、獣人族とハーフリング族の演奏と歌の呪術とドワーフ族の魔法具、どちらも性魔術なのは、なんでかしら」
リリスも先日の宴会ならぬ艶会騒ぎとロウランの都での反乱騒ぎについて、関連性について考えているようだ。
魔王を種馬として召喚。
エルフィーヌはクローディアに片想いをしていると思っていた。
自分のものにならないのなら、いっそう魔王に一緒に凌辱されて添い遂げようと考えていた。
「エルフィーヌ」
「クローディア」
二人が見つめ合い、抱き合うと目を潤ませながらキスをする。
「エルフィーヌが望むなら、魔王の慰み者になる恥辱も受け入れよう」
「いえ、私が犠牲になればいいのです。クローディア、私が魔王の慰み者になりぶざまな姿になったら幻滅するでしょう。でも今の姿を忘れないでいてほしい……」
「あー、なんか、嫌な娘たちね!」
リリスが二人の会話を聞いていて、腹を立てたようだ。
「そんなに嫌なら、ドワーフちゃんに二人でいじめられてくれば。
魔王様、帰って海で遊びましょう!」
「そうだな」
神崎修司とリリスがエルフ族の謁見の間から出て行こうと歩き出す。
水晶玉が床に転がされている。
神崎修司も嫌がる相手を犯す趣味はなく、さらに誰とでもやって孕ませるみたいな言われように、二人に同情した気持ちの分だけ、気分が悪い。
リリスも二人が神崎修司を利用しようとしたのに、自分たちが魔王の被害者みたいな態度が気にくわない。
「お待ち下さい!」
「魔王、協力を拒むなら、私たちの敵とみなす!」
リリスが振り返り、二人をにらみつけた。
「……いっぺん、死んでみる?」
「リリス、ほおっておこう。
……なんか、疲れた」
「魔王様、優しすぎるとなめられちゃうよ」
そこに「きゃああああっ!」と悲鳴をあげて玉藻とミーシャが神崎修司が召喚された魔法陣から現れた。
「あら、みんな何で来たの?」
「魔王様、ご無事ですか」
「助太刀いたします!」
クローディアとリリスの間に、現れた二人が立ち、身構えている。
「クローディア……」
「あっ、貴様、何者だ!」
エルフィーヌの背後に立ち、腕をねじり上げてしゃがませて、片手に剣を持ち白銀の鎧をまとった女騎士はノルンである。
空中に遅れて転送されてきたノルンは、床に落下せずにそのまま飛翔して、エルフィーヌの背後を取ったのである。
「魔王様に対する侮辱、死を持ってあがなうがいい……」
ノルンの静かな声と口調が、場の空気を一瞬にして凍らせる。
「どうやって城に潜入したの……」
床に這いつくばらされているエルフィーヌが、狐姫玉藻とハーフリングのミーシャを見つめて言った。王城には結界が張られている。
「私の領地から魔王様を誘拐したのがまずかったわね。この転送させる法術陣は私がもらったわ」
玉藻がにっこりと笑って言う。
ダークエルフのクローディアがエルフィーヌを救出するために、ノルンに向かって疾走する。
「リリスなんとかしてくれ!」
「そこまで!」
クローディアとノルンが接触する寸前に、リリスがクローディアに金縛りにかける。ミーシャにはリリスの手をひろげて突き出した指先から、金色の髪より細い糸のようなものが放たれてクローディアに絡みついたのを見た。
「動けぬ、なぜだ!」
クローディアや神崎修司にもリリスの魔法が見えていない。
リリスが手を握った途端にクローディアが床に転がされた。
リリスの指先から黄金の糸が切り離されて、きらめきながら舞う。
「リリス様、お見事です」
ミーシャだけがクローディアを縛り上げている魔法力の糸が見えている。

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