PiPi's World 投稿小説

ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 32
 34
の最後へ

ある六畳一間から伝説が始まる 34

「みんなで覗いてたのかよ……」
(いやねぇ、護衛よ。魔王様、ちょっと目を閉じてから体の下にいるのが誰か見てみなよ)
神崎修司がリリスに言われたように目を閉じて、すぐ目を開く。
狐姫からは神崎修司の瞳が金色に輝いたように見えた。
深紅のまがまがしいオーラと金色の瞳……狐姫は恐怖を感じて身を震わせた。
「お前、誰だ?」
「ひいいいっ!!」
魔王に殺されると狐姫は覚悟した。
神崎修司はノルニルさんではない和風の顔立ちの美しい乙女が全裸でいるのを見て、思わずにへらと笑った。だが怯えた狐姫にはその笑顔が怖い。
「タマモさん、どうしてここに?」
ハーフリングのミーシャが言う。
「魔王様をたぶらかし油断させておいて危害を加えようとするとは、卑怯な……」
ノルンが剣を抜き、身構える。
強引に寝室に連れ込まれて、服を脱ぐように命令して脱いだら、押し倒して悪戯しまくっていたのは神崎修司。狐姫玉藻のほうが被害者なのはリリスはわかっていたがひさびさに戦闘モードのノルンが誤解しているのを、あえて訂正したりはしなかった。
「ミーシャ、誤解よ。私はあなたを助けに来たの!」
と必死に狐姫玉藻が弁明する。
「魔王様を殺しに来た刺客のくせに!」
ノルンが剣先を狐姫の方に向ける。
(やりにくいな、こりゃまいったな)
神崎修司は頭をかいて、狐姫玉藻から離れてベットからおりた。
(魔王様、これは獣人族の狐姫玉藻よ)
リリスが神崎修司に教えた。
「タマモさん、私は魔王様のところで暮らすの。東国には帰らない!」
「ええっ!」
狐姫玉藻はハーフリングのミーシャの顔を見つめた。四大種族の国々は同盟関係にある。
獣人族の軍勢でミーシャを護衛して反乱勢力を倒して内乱を鎮圧して帰還させる。
そのつもりだった。
そのかわり、ミーシャと熱い淫らな一夜を期待していた狐姫玉藻は唖然とする。
ミーシャに狐姫玉藻は惚れていた。
「事情はわからないが、泣くなよ」
神崎修司はベットの上の狐姫玉藻に言った。
(惚れたミーシャの前で魔王を誘惑したなどと言われ、こんな屈辱を受けるなら)
舌を噛み切って死のうと舌を出した。
そこで金縛りにされた。
(死なせない。魔王様の力を返してもらうわ)
仰向けで全裸、舌を出したままのまぬけな姿でリリスに金縛りにされた狐姫玉藻であった。
リリスが神崎修司から離れて、狐姫の隣で添い寝をするように寝そべり、狐姫の頬を撫でた。
「とりあえず、ミーシャの知り合いなら泊まれるようにノルニルさんたちに部屋を用意してもらわないとな。ノルンさんも剣をしまって」
「あたしにまかせて」
神崎修司とリリスに言われて、ノルンが不本意てあるがいつもの冷静な顔つきに戻り寝室から出ていく。
「タマモさん……」
ミーシャが金縛りにされたベットの上の狐姫に駆け寄り手を握った。
「ミーシャの友達みたいだから、金縛りにしたり、悪戯するなよ、リリス」
神崎修司は言いながら服を着た。
(死にたい。こんな恥をかかされるなんて!)
「金縛りを解いたら、この娘は自害するわよ」
「タマモさん、そんなのダメ!」
神崎修司はリリスが嘘をついている気がしなかった。敵に捕まった女忍者が自害する時代劇を神崎修司は思い浮かべた。
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
「ミーシャちゃん……リボンもらうわよ」

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す