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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 22

(ああ! もう!)

 集中力を散り散りにさせる雑音に輪島里美(わじまさとみ)は指に力を込めた。それがかえって滑らかなタイピングを妨げ、日本語で続いている文章にr≠ェ連なっていく。

 この春二回生になった里美は、履修登録した講義の一つで早速レポート課題を言い渡されるというアンラッキーな新年度を迎えていた。そこにさらなる不運が、今まさに訪れている。

(何なの? 何なの!? お隣はどうなってんの!?)

 隣の302号室から響いてくる憚りのない女性の濡れた声が集中を途切れさせ、レポートの途中からr≠ェ連なってしまったのだ。

(昨日といい今日といい!)

 苛立たしい内心をデリートを叩く人差し指が代弁している。

(昨日は夕方から、今日も帰ってきたときにはもうヤってたし! 今何時だと思ってんの!?)

 23時である。愛を育む時刻としては適当な頃合いに含まれそうだが、問題は、夕方から今まで、ということにあった。
 
「ああ――すご――――イッちゃ―ます―ううう――」

 長細い長方形のレンズを青いフレームで囲った眼鏡を取り去った里美は、首を後ろに倒して頭を振る。ピンクのTシャツの上をストレートの茶色い髪がサラサラと揺れた。

(凄いのはあなたの性欲だっての!)

 身を捻ってベッドに上がりながら悪態をつく里美は、302号室側の壁に耳を寄せる。

「イクううううう――――……」

(あんな大きな声だして……丸聞こえだってば……)

 壁一枚隔てた向こうでたった今女が絶頂した。それでも止まらないパンパンと肌がぶつかり合う乾いた音が、耳をくっ付けたことで微かに聞こえてくる。

「あ、―、―ああ、しょ――さま――また、――、―ク! あああああ――――」

(もう? イき易いの?)

 一瞬そう思ったが、肌が擦れ合う音もなくなっているので、男の方も達した推測でき、きっと中で達したから女も直ぐにまた絶頂したのだと考えられた。ゴムを被せていても熱い液体をばら蒔く陰茎の蠢きは独特の快感があり、里美も体験しているので変に納得していた。
 しかし彼女は、経験が浅いことを思い知らされる。

「んあああああ――――」

(え?)

 また女が嬌声を張り上げ、肌が叩き付けられる音が響き始める。

「ああ、あん! あん! ふか―、―きゅう――て――ううう――、も―、イクううう! あああ! あっ、―っ、――」

(声、変わってるような……)

 今聞こえる声は、先ほどの声よりも幼さが含まれているような気がする。
 よく聞けば、雑音のように幾つかの声がゴニョゴニョと紡がれているようにも思える。

(ら、乱交ってやつ……?)

 里美にその経験はなかった。乱交などという快感を貪るだけの乱痴気騒ぎなど、全く興味がない。性交というのは愛する人と愛を感じ合うために行うスキンシップの一つなので、全く関係のない人を受け入れるなど考えられなかった。

(あり得ない……)

 そう思う気持ちとは裏腹に、里美の右手がスエットパンツに差し込まれていく。
 やがて里美は肌がぶつかり合う乾いた音が一組からしか聞こえていないことに気付かないまま、掻き乱された愛欲を慰め始めた。

 * * *

 ベッドの脇にあるナイトテーブルの上にはテーブルランプが置いてあり、その向かい側には三面鏡の化粧台が置いてある。ナイトテーブルと化粧台の間には遮光カーテンの隙間を抜ける朝の光が差し込んでいた。
 ベッドの足元の方は清潔感のある白い壁が広がっており、翔真の視界とその壁の間には揺れている女の姿がある。桜色に染まった肌の中で露にされている胸が妖しくたゆたい、流麗に下りるストレートの金髪は激しく跳ね回っている。

「翔真、さま、あ、おはよう、ござ、います、ん、ああん、あ、あ……」

 見慣れない室内で目を覚ました翔真に、揺れている女の子が胸板に両手をあてて紅潮した顔を近付ける。生理現象で傲然と聳える陰茎を肉壺に埋没させ、腰を揺すりながら。

(いいなあ、一戸建て)

 寝心地のいいダブルベッドからスプリングが軋む音が聞こえ、寝起きの自分の上で腰を回して濡れた声を響かせる千夏を目に、翔真は心底そう思った。

 昨夜、新入社員が3日続けて同じ服で出社するのは流石に周りの視線が刺さるかもしれないと案じていた美幸が終電の時間が迫ってきたことを名残惜しそうに伝えると、彩菜が服を貸すと言いだした。
 彩菜の両親は3日ほど旅行で家を空けることになっており、昨日はその初日だった。3日間は彩菜は家に1人で、翔真の所で過ごすつもりでいた千歳は彩菜の家に泊まると朝の時点で家族に告げていた。そして千夏は一人暮らし。
 それでは場所を移そうということで、日付が変わった頃に彩菜の家へ場所を変え、散々快楽を貪ったのである。

(風呂もでかかったしなあ……)

 千夏の胸を揉みながら翔真はそのことを思い出す。

 浴槽は、二人並んで入ることはできないが、足を伸ばして入れる大きさだ。洗い場の方はとても広く、風呂椅子に座る翔真を四人の女性が前後左右から囲めるほどだった。

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