先祖がえり 92
『うむ・・・しかも狐太郎は人狐だがお前たちは違う。昔は人狐が何人か居たからなんとかなったが、今では人狐は狐太郎のみだ。つまり、種族の違う者同士。余計に難しいだろうな・・・』
「・・・・・・」
『・・・だが、可能性が0というわけではない。そんなに気に病むでないぞ。』
「・・・はい。」
そうは言われてもすぐには吹っ切れない。
留美はそれを紛らわすために別の質問をすることにした。
「あの・・・周りに女を、というのは?」
『ん?ああ、今の狐太郎と同じような感じだ。昔から男の人狐は稀有な存在らしい。そのせいか、他の女たちは無条件に男の人狐を心から愛するようになるようだ。』
「なるほど・・・」
そう言えば狐太郎を初めて見た者の中には、その多くが狐太郎のことを愛して、近づいてきた者が多い。美咲しかり、真由や亜紀しかり。
『・・・お前は、狐太郎が変わっても狐太郎のことを愛し続けるか?』
源之助は突然留美に確認する。
「当たり前です!!コタちゃんはどうなっても私の可愛いコタちゃんです!!」
それに留美は当然肯定する。
『・・・うむ。その言葉が聞きたかった。それでは留美、何かあったらすぐ言いなさい。いいね?』
そう言うと源之助は留美との電話を切った。
「・・・よし!」
留美は一言気合いを入れると狐太郎の部屋に向かって行った。
「(コンコン)コタちゃ〜ん。入るわよ?」
留美は狐太郎の部屋にノックをして入る。
しかしそこには
「うふふ・・・ご主人様・・・たっぷり飲んでくださいませ・・・♪」
「・・・ッング・・・チュジュ・・・」
まるで本当の我が子のように狐太郎を甲斐甲斐しく世話をする加奈の姿があった。
「な、何をしているの?!」
留美は驚いて近寄る。
しかし
「・・・留美様、今ご主人様はおっぱいを飲んでくださっています・・・邪魔はしないでください。」
そうして上司である留美を睨んでくる加奈。
その表情にすごんだ留美は
「うぅっ・・・」
近づけないでいた。
よく見ると狐太郎も嬉しそうに加奈の母乳を飲んでいる。
そこで
「こ、コタちゃん?お姉ちゃんのおっぱいは?飲まなくていいの?」
自分も同じように母乳を与えることで狐太郎の目を引こうとする。
すると
「・・・ジュッパ! ・・・あ、お姉ちゃん。」
加奈の乳首から口を外し留美の方を向く狐太郎。
見ると留美はもうすでに下着を外し、自ら胸を揉んで
「・・・あ、ふぅん・・・ほら、出てきたわ・・・コタちゃん、きっと美味しいわよ・・・?」
そう言って狐太郎を誘う。
狐太郎の意思とあらば加奈も文句は言えない。彼女にとって狐太郎の意見こそ最も遵守すべきことなのである。
しかし
「・・・ん〜・・・ごめんね、お姉ちゃん。お姉ちゃんのおっぱいも飲みやすくて好きだけど・・・」
狐太郎は再度加奈の胸の方を向き
「・・・なんだか加奈のおっぱいがすごく美味しくなってるんだ・・・カプゥ♪」
「あくぅぅぅん!!・・・はい・・・加奈のおっぱいは・・・ご主人様のために大きく・・・美味しくなりましたぁ・・・♪」
加奈の胸に吸いつくことを選んだ。
それを見て負けを認めた留美は
「・・・加奈ちゃん。もう少ししたらコタちゃんを食堂に連れて来てあげて頂戴。」
「はい♪ お任せください・・・」
加奈の返事を聞きながらも部屋を後にする。
「あれ?留美様・・・狐太郎様は?」
食堂に一人でやって来た留美。美咲はその様子を珍しく思い留美に問う。
すると
「・・・加奈ちゃんに盗られた・・・」
「えっ?」
「・・・部屋に入ったら加奈ちゃんがコタちゃんにおっぱいあげてて・・・コタちゃんあたしのおっぱいじゃなくて加奈ちゃんのおっぱいを選んで・・・」
事の顛末をぽつぽつと話す留美。
「そ、そうでしたか・・・」
美咲はどうすることも出来ず苦笑いを浮かべる。
留美はそのままいつも狐太郎と共に食事を取る席に座って溜息をついていた。
「・・・さあ、ご主人様。そろそろご夕食が出来る頃です。食堂に向かいましょう。」
狐太郎の部屋で母乳を与えていた加奈。頃合いを見計らって狐太郎に話しかける。
「・・・でも、僕もっと飲んでいたいし・・・そうだ!おっぱい飲みながらでいい?!」
まだ加奈の母乳を味わいたい狐太郎は母乳を吸いながら食堂に向かうことを提案する。
勿論狐太郎の意見に加奈が首を横に振るわけがなく
「ええ。ご主人様がお望みなのでしたら。」
そう言って狐太郎を抱き上げると
「さぁ、行きましょう。」
そのまま食堂に向かった。