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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 89

そのやり取りに狐太郎は

「・・・ならいいんだ。二人とも、仲良くね?」

そう言って笑顔を見せる。


(加奈ちゃん・・・覚えときなさいよ・・・)

留美は心の中で悔しがっていた。




「お爺様、ありがとうございました。」

「いや、いい。それより例の香水だが・・・」

屋敷に戻る前に源之助のもとを訪ね、改めて礼を言うことにした留美達。

加奈はすでに新しく新調されたメイド服に着替えている。

狐太郎は留美の胸に抱かれているが、後ろの方でその姿を見ている加奈が「うぅ〜・・・」と若干唸っているのが聞こえなくもない。

「香水・・・ですか?」

「ああ。実はすでに回収させたんだが、あの香水は今後一切使えないように本社の方で処分しておく。」

「そう・・・ですか・・・」

狐太郎をメロメロに出来る夢みたいな香水ではあるが、さっきみたいなことが再度起こるかもしれない事を考えると仕方がない。

「うむ。おっと、忘れるところだった。加奈。」

「・・・あ、はい。源之助様。」

狐太郎の顔をじっと見ていた加奈は遅れて反応した。

「・・・医務室の者から預かった手紙だ。今読んでおきなさい。」

「手紙? かしこまりました・・・」

なんの手紙だろうか。とりあえず開けて読むことにした。


「・・・・・なるほど。わかりました。」

その手紙は要約すると

『加奈には再度血清を打ってあるから母乳を使って料理を作ったりしても問題ないこと』

『母乳の出る量がさらに増えていると予想されるので今までより念入りに搾乳すること』

の二つが書かれていた。


「よし。ならお前たち、今日は屋敷で安静にしておきなさい。いいな?」

「はい、お爺様。」

「かしこまりました。源之助様。」

そう言って頭を下げる二人。

「おじいちゃん、またね!」

狐太郎の元気な声と共に二人は屋敷へと戻っていった。




「ただいま〜」

留美が代表して今帰ったことを伝える。

「あ、おかえりなさいませ留美様。狐太郎様。と・・・」

奥からやって来たのは美咲だった。既に帰ってきていたのだろう。

順に挨拶していく彼女だが、その目線はある人物で止まる。というよりその人物の一部分で。

「・・・加奈様。」

いろいろ思うことはあったがとりあえず挨拶を済ませる美咲。

「ありがとう、美咲ちゃん。さ、コタちゃん。着いたわよ?お着替えしましょうか。」

留美は狐太郎を抱きながら狐太郎の部屋に連れていく。

当然加奈も

「あ、私も・・・」

そう言って後を追おうとする。

しかし

「加奈ちゃん、あなたは夕飯の準備をして頂戴。コタちゃんのお世話は『わたしが』するから」

先ほどの医務室での出来事の仕返しのつもりだろうか、妙に一部分だけ強調して話す留美。

「そんな!!留美様ぁ!!」

加奈は留美に近寄って懇願するが

「・・・命令よ・・・それにコタちゃんが居る今、喧嘩してはいけない・・・わかるでしょ?」

留美は加奈に耳打ちをする。

それを聞いた加奈は

「うぅ〜・・・か、かしこまりました・・・」

心底残念そうに二人を見送る。


「じゃあコタちゃん、行きましょう?」

「いいけど・・・加奈は?」

「加奈ちゃんはご飯の準備があるの。だからお姉ちゃんがお着替え手伝ってあげるね。」

「そうなんだ。お姉ちゃんありがとう!」


まるでみせつけるかのような状況に今までよりさらに母性が高まった加奈は唸るばかり。

そして

「・・・美咲さん。」

「はっ、はい。」

「・・・今日の料理は最高に美味しいものを作りますよ。」

料理で挽回することに決めた加奈であった。



「・・・それで、他の方たちは?」

食堂に向かいながら美咲に他の4人の行方を尋ねる加奈。

「はい。まだ学校の方に。帰宅し次第、各自部屋に戻ってメイド服に着替えて食堂に向かうよう伝えてあります。」

「・・・そうですか。」

元気なさそうに答える加奈。美咲はいろいろ質問したいことがあったが

「・・・どうかなさったのですか?」

まずはなぜ加奈は浮かれない顔をしているのかを聞いた。

「だって・・・ご主人様が居ないのですよ?ああ・・・ご主人様・・・」

どうやら加奈はさっきまで一緒だった狐太郎に会いたくて会いたくて仕方がないようだ。

これ以上質問しても無駄だと分かった美咲は質問を変える。

「そうですか・・・あの・・・」

「・・・なんです?」

「そのお胸は・・・」

これが一番聞きたかったことである。加奈の胸は今朝見た時よりも確実に大きくなっている。

胸の大きさに敏感な彼女たちのことである。当り前のように気づく。

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