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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 74

「ありがとう、加奈ちゃん・・・最後は」

後は上着だけである。留美は二つの枷をつけて苦しそうなまま上着を着る。

「・・・せぇの!」

流石に上着なだけあって少し無理をすれば着ることが出来た。

こうして何とか服を着た留美。少しでも派手な動きをするとボタンが飛んでいきそうなのでゆっくりとした動きになる。

そしてそのまま何かを思案する顔になると

「・・・加奈ちゃん、今朝罰を与えたわよね?」

「・・・え?あ、今日一日はこの服を着ろというものでしょうか?」

確かに今朝加奈は暴走してしまって胸を大きくした。この件に関して留美は加奈に罰を与えていた。

「・・・あれ、取り消すわ。こんなに苦しいのね・・・」

「えっ?よろしいのですか?!」

嬉しそうな顔をする加奈。

「ええ・・・あの罰はよっぽどのことがない限り使わないようにしましょう・・・」

よほど苦しいのだろう。罰を取り消す留美。すると加奈は

「ああ・・・ありがとうございます!!実はもうすでにおっぱいが張ってきていて限界だったんです!!」

そう言って部屋を出ていこうとする加奈。

「え?ちょ、ちょっと加奈ちゃん、どこ行くの?」

「私の部屋です!!申し訳ありませんが、留美様はご主人様のもとへお願いいたします!!私も着替えたらすぐ向かいますので!!」

よっぽど苦しかったのか、走って自室に向かう加奈。

「・・・これは・・・もはや極刑ね・・・」

苦笑いを浮かべながら狐太郎の部屋に向かう留美であった。




「お姉ちゃん、今日は賑やかだね!」

留美と共に食堂にやってきた狐太郎。そこには既に亜紀、千恵、真由、静香、美咲、そして着替えてきた加奈が待っていた。

「そうね。4人も増えたものね。」

留美も狐太郎の話を肯定する。

そしてそのままの流れで重要な質問をする。

「コタちゃん・・・改めて聞くけど、この4人が屋敷に住まうのを、許可してくれるかしら?」

そう、まだ4人は狐太郎から直接許可を貰っていない。

さっきまで頬笑みながら立っていた4人だが、急に緊張した顔になる。ここで狐太郎がダメといったら4人はメイドとなることが出来ない。

しかしその心配は杞憂に終わる。

「当たり前だよ!これからよろしくね!」

狐太郎は二つ返事で許可を下し、4人にニパッと微笑む。

その顔を見ただけで各々悶える4人。

「ああ・・・狐太郎様ぁ・・・」

「私、家事を覚えて・・・絶対立派なメイドになります!」

「狐太郎様・・・ありがとうございます!!」

「・・・ありがとうございます・・・///」

礼を言う4人を見た後、留美が

「良かったわね、あなた達。じゃあこれからは正式に、この屋敷で働いてもらうわ?いいわね?」

そう言って改めて4人を認める。4人はただただ頷くばかり。

しかし留美はそれを見ると悩んだ顔になる。

「でも・・・これからこうやって人が増えていくと全員食堂で食事をするのは難しいわね・・・」

「そうですね・・・」

加奈もその意見には頷く。いくら広い食堂といえども限界はある。

そこで留美は

「・・・じゃあこうしましょう。今後コタちゃんと一緒に食事するのは長職に就いている者を基本として、他の人は事前に申請してもらうわ。その中から数人を抽選ね。」

新たな方針を決める留美。しかし狐太郎は

「え・・・お姉ちゃん、それじゃあ選ばれなかった人は?」

選ばれなかった人の心配をする。留美は少し申し訳なさそうな顔で

「・・・残念だけど、次の機会ね。」

狐太郎に言い聞かせるように言う。

すると

「そんな・・・お姉ちゃん、仲間外れは・・・ダメだよ・・・」

段々語尾が悲しみを帯びていく。これに慌てたのは留美を筆頭にした周りのメイド達。

「る、留美様!今のは取り消してください!!」

「そうです!お願いします!!」

加奈と美咲は焦った様子で留美に願い出る。

しかし少し遅かった。

「・・・ふぇ・・・お姉ちゃん・・・仲間外れしないで・・・グスッ・・・」

ついには涙を流し始めた狐太郎。周りのメイド達の焦りは頂点に達した。

「こ、コタちゃん!ごめんね、ごめんね!!私が悪かったわ!!」

慌てた様子の留美は狐太郎を強く抱きしめる。

「うぅ・・・お姉ちゃん、それじゃあ・・・」

「ええ!今のは取り消すわ!!みんなで食事をとりましょう!!加奈ちゃん、屋敷にここよりもっと大きな食事場を増設する手筈を整えて頂戴!!」

「は、はいっ!!」

加奈は走ってどこかへ行く。狐太郎はそれを聞いて少しは安心したのか

「・・・お姉ちゃん・・・やっぱりお姉ちゃんは優しい・・・♪」

そういって留美に甘える。

その様子を見て留美も、周りのメイド達もホッとする。

美咲はそのまま後ろの4人を振り返り、狐太郎に聞こえないぐらいの声で

(・・・いいこと?絶対に、ぜっっっったいに!狐太郎様を悲しませることをしてはいけないわ。わかったでしょ?)

改めて確認する。4人は深く頷いた。

彼女たちは狐太郎の涙を見た瞬間胸が張り裂けそうな思いを感じていた。こんな感情を二度と感じないためにも、生涯狐太郎に尽くすことを決める。


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