先祖がえり 69
「片付いた?千恵ちゃ・・・って、全然片付いてないじゃない!」
自分の部屋の整理を終わらせた亜紀であった。
「大丈夫よ。まだ時間あるし。」
千恵はのんびりと返事をする。しかし亜紀は慌てた様子で
「何言ってるの?!時計を見て!!」
千恵に時計を確認させる。
「時計?もう、心配性・・・って、もうこんな時間?!」
そこでやっと自分の置かれた状況を理解する千恵。
「あわわわわっ!!どうしよう亜紀ちゃん!!」
「どうしようじゃないわよ!!もぉ〜、だから普段からシャキッとしてって言ってるのにぃ!!」
「い、今そんな説教を聞く時間無いよぉ!!」
千恵は慌てていて亜紀は怒っている。彼女たちの頭にあったのは加奈の時間になったら食堂に来るようにという言葉であった。
しかしその言葉自体が重要なのではない。重要なのはそれを「加奈が言った」ということである。つまり
「た、助けてよぉ!!亜紀ちゃん!!このままだと加奈様に怒られる!!」
普段怒られ慣れている千恵であったが加奈は彼女の中でも恐ろしい存在なのだろう。
しかし亜紀は
「そんなこと言われても私だって怒られたくないわ!今回は自分で何とかして!!」
無常にも千恵の頼みを切り捨てる。
「そんなぁ〜・・・ね、亜紀ちゃん!今度あの美味しいシュークリーム、買ってきてあげるからぁ!!」
亜紀が甘い物好きということを知った上で千恵は亜紀を物でつろうとする。
その言葉に一瞬「うっ・・・」と言葉に詰まる亜紀だが
「・・・でも、加奈様に怒られる方が嫌だわ。やっぱり自分で何とかして!!じゃあ私先に行ってるから!!いい?出来るだけ早く来るのよ?!」
「えぇ?!ちょ、ちょっと亜紀ちゃぁ〜〜〜〜ん!!」
逃げるように部屋を後にする亜紀。一人残された千恵は
「た、たたたたた大変だぁ!!」
分かりきったことを口にしながら慌てて荷物整理を始めるのであった・・・
さて、狐太郎の部屋では・・・
「・・・ふふっ♪・・・可愛いわぁ〜・・・コタちゃ〜ん♪」
寝ている狐太郎の頭を優しく撫でる留美。その短めに切り揃えられた髪はサラサラで、時折耳がピクピクッと動く。
「・・・んにゅ・・・おねえ・・・ちゃん♪・・・」
寝言であろうか、頬笑みながら姉を呼ぶ狐太郎。そのあまりの可愛さに留美は思わず抱きしめたくなるが、彼の睡眠の邪魔を絶対にしてはいけないと思い、すんでのところで止まる。
(あぁ・・・コタちゃん・・・コタちゃん、コタちゃぁ〜ん・・・)
頬を上気させ鼻息も荒く狐太郎を撫でる留美。感情が昂ぶっているせいか
―――――――ジュワァ〜・・・
ゆっくりと母乳が滲みだしている。
すると、その匂いにあてられたのか
「・・・ん、ん〜?・・・」
目を覚ます狐太郎。
「あ、おはようコタちゃん。よく眠れた?」
それに気づいた留美は狐太郎に声をかける。
しかし例によって
「・・・は、ふぁ〜・・・」
可愛い欠伸を一つするとポケ〜とした顔で辺りを見回し
「・・・あ。お姉ちゃん♪」
留美の姿を見つけるとその胸に抱きついた。
「ふふっ・・・コタちゃん・・・」
彼女はそれを優しく抱き留め、頭を撫でる。
「お姉ちゃん・・・夢でも僕を抱いてくれてた・・・♪」
そう一言つぶやくと狐太郎は「これは僕のもの」と主張するように一層留美を抱きしめる。
「あら、そうなの?・・・ふふっ・・・安心して。私はいつでもコタちゃんの味方よ・・・」
そう言って髪をすいてやる留美。
すると狐太郎は留美の胸元でモゾモゾと動きだし
―――――――カプッ♪
既に洩れていた留美の母乳を吸い始める。
「あふんっ!・・・あらあら、コタちゃん、喉が渇いたの?いいのよ・・・いっぱいあるからたっぷり飲みなさい・・・」
狐太郎は返事をする代わりに
「ズチュ〜〜〜〜〜ッパ! ッンク、ッンク・・・」
留美の母乳を吸うことで返事をする。
すると
「ん・・・んん・・・お姉ちゃん・・・」
急に母乳を吸うのをやめた狐太郎はモゾモゾしながら留美を見上げる。
「? どうしたの?コタちゃん・・・あ・・・ふふっ。固くなっちゃったのね・・・」
自分の下腹部にあたる感触に狐太郎の言おうとすることを察する留美。
狐太郎もゆっくりと頷く。
「もう・・・コタちゃんったら元気ね・・・ちょっと待ってね。」
そう言うと狐太郎のベットに上がり服を脱ぎだす留美。
そのまま生まれたままの姿になると、続けて狐太郎のズボンと下着を脱がし
「・・・おいで、コタちゃん・・・」
そう言って両手を広げる。