先祖がえり 67
「え?あ・・・うわぁ・・・」
「わ、私の胸・・・こんなに・・・」
改めてみる自分の胸の大きさに驚く亜紀と千恵。
「あなた達はこれからご主人様の下でメイドとなるのです。身だしなみはきちんと・・・ね?」
そう言ってニコッと微笑む加奈。美咲もウンウンと頷いている。
「・・・さぁ、次はあなた達よ。ちょっと動かないでくださいね。」
「あ、はい。」
「・・・(コクリ)」
そういって今度は真由と静香に近づく加奈と美咲。
―――――――ムニュ、グニュリ
「あっ!ふぁぁん!!」
「・・・ふぅ・・・ん・・・」
加奈は真由の、美咲は静香の胸の形を整える。
その際加奈は手に伝わる感触に(まぁ・・・可愛いサイズね・・・)と心の中でつぶやく。彼女達も90cm越えのバスト。決して可愛いと言えるサイズでは無いのだが・・・
「・・・はい。もういいですよ。」
「これからは自分で整えるのよ?」
二人から離れる加奈と美咲。
「あ・・・はい。って、うわぁ・・・」
「・・・すごい・・・」
今までより一回りほど大きく見える自分の胸に溜息をつく真由と静香。
「では、これからあなた達の部屋に案内しますね。その後は食堂に向かいます。そろそろ夕食の準備をしなくてはね。」
メイドらしい姿になった4人に満足した様子の加奈は彼女たちの「自分の部屋」に案内するようだ。
「えっ・・・私たち一人一人にお部屋を頂けるのですか?!」
すっかり相部屋だと思っていた真由。千恵や亜紀、静香でさえそう思っていたようで、あまりの優遇に驚く。
しかし加奈はケロッとした様子で
「ええ。この屋敷にはたくさんの部屋がありますから。ただし、部屋の掃除は各自で行ってくださいね?では、こちらです。」
こうして6人はゾロゾロとメイド達の部屋が並ぶ廊下に向かう。
「・・・では、こちらから見て左側が教師メイド、右側が生徒メイドの部屋です。」
目的の廊下に着き、説明をする加奈。思ったほど遠くなかったこの廊下はどうやらメイド達の住まう部屋が集まっている廊下らしい。
「ここが亜紀さん、その隣りが千恵さんの部屋。そしてこっちが静香さんの部屋です。」
加奈が順番に場所を説明していく。
「なお、荷物の方はもう移動を済ませていますので、後は各自でお願いします。」
そこまで説明した時
「あの・・・私の部屋は・・・」
おずおずと手を挙げる真由。確かに彼女の部屋の紹介を受けていない。
「えっと、真由さんの部屋は別のところにありますので、少し手間になりますが、一旦戻って説明しますね。」
「そ、そうなんですか・・・」
どうやら真由だけ別のところに部屋があるらしい。そう説明を受けると真由もこれ以上は食い下がらない。
「それで・・・もしここに収まりきらないほどの女性がメイドとなった場合・・・つまり生徒さん達の大勢がメイドとなった場合はこの屋敷の離れに宿舎のような建物を建設する予定です。では、亜紀さん、千恵さん、静香さんは部屋に戻って良いですよ。ただ、時間には食堂にいらっしゃってくださいね。」
そう言って加奈は集合時間を伝えると、3人は各々返事をして部屋に戻っていく。
「・・・お待たせしました。では、真由さん。お部屋に案内しますね?」
3人が部屋に入ったのを確認すると加奈は真由の方を振り返り案内をする旨を伝える。
「あ・・・はい。」
そして加奈、美咲、真由の3人は真由の部屋に向かうことになった。
「・・・ここです。」
「え?ここって・・・」
案内された部屋は
「美咲様の部屋と加奈様の部屋にとても近い・・・」
そう。真由の部屋は美咲や加奈の部屋があるところの近くの部屋であった。
そのことに関して
「はい。あなたは生徒長。ですから、あなたには特別な部屋を与えます。一般のお部屋よりご主人様のお部屋に近い場所に。」
そう言うとニコッと微笑む加奈。
その言葉を聞いて(特に狐太郎の近くというのを聞いて)
「あ・・・ありがとうございます!!」
花が咲いたような笑顔になり、加奈や美咲に頭を下げる。
その反応に加奈と美咲は
「いえ。そのかわり、自分が責任のある立場だということを忘れないでくださいね?」
「自分の部屋の管理は自分でするのよ?」
それぞれ返事をする。特に美咲は自分の台詞の後真由に近づき
(もし部屋が片付いてないのを加奈様に見つかったら・・・いいわね?絶対に管理を怠らないでね?)
と、耳打ちする。その台詞に真由は背筋をピンッと伸ばして
「は、はいぃ!!必ず!!」
と美咲に約束をする。真由にとっても加奈は怒らせると恐ろしいのだろう。
「? お二人とも、何の話ですか?」
加奈は話が分からず首を傾げている。
「い、いえっ!なんでもございません!ただ、きちんと片づけをして欲しいと伝えたんです!」
美咲は慌てて返事をする。真由もどこか慌てた様子で美咲に合わせて笑顔を見せている。
「?? よく分かりませんが・・・そうですね、部屋の片づけなど管理の方はお願いしますね?」
改めて加奈から言われると、また怒った加奈を想像することになったのか真由は「ひぃ!!は、はいぃ!!」と焦って返事をする。
その返事を聞いた加奈は
「・・・では、私たちは先に食堂に向かいましょう。真由さん、時間になったら来てくださいね?それまでは荷物整理などをなさってください。では。」
そう言って美咲と共に食堂に向かって行った。
ここで亜紀、千恵、静香、真由、そして狐太郎と留美の居る5部屋の様子を見てみよう。
まず真由の部屋・・・