先祖がえり 52
――――グググッ・・・パンッ!
ついにブラウスの3つ目のボタンまではじけ飛んでしまった。
「あらあら・・・とにかくあなたは一旦メイド服に着替えて、お弁当の準備をしていてください。あ、あと、学校に向かったらそうそう時間は取れないでしょうから、おっぱいも搾っておいてくださいね?」
「はい。よろしくお願いいたします。」
「ええ。では・・・」
そういって退室する加奈。美咲は再度メイド服に着替え、食堂に向かった。
「(コンコン)失礼します。留美様。」
加奈は狐太郎の着替えを手伝う留美の元を訪れていた。
「あら、加奈ちゃん。水筒は?」
「あ、いえ・・・そうではなくて、一つお願いがあるのです。」
「・・・? なにかしら?」
「あの・・・美咲さんがスーツで学校に向かうことを望んでいるのですが・・・」
「ああ、彼女はそうね・・・それで?」
「はい・・・あいにく、サイズが合わなくなってしまったのです。」
「あらら、おっぱいのところ?」
「ええ・・・ですから、留美様のスーツが余っていれば、今日一日貸して頂きたいのですが・・・」
「私のを? ・・・えっと・・・彼女の今のバストサイズは?」
「確か・・・118・・・でした。」
「118ね・・・うん。たぶんあるわ。ちょっと待って・・・」
そういって自分のクローゼットの中を探しに行く留美。
「ねぇ、美咲は今日スーツで行くの?」
その間狐太郎は加奈に話しかける。
「ええ。その方がシャキッとするようですよ?」
狐太郎の質問に笑顔で返す加奈。
「ふぅん、そうなんだ・・・」
「あったわ、加奈ちゃん。ブラウスもよね? はい、これを美咲ちゃんに届けてあげて。あ、あと、何度も言うようだけど水筒、お願いね。」
「はい。ありがとうございます、留美様。」
「いいのよ。さぁ、届けてあげて?」
「ええ。では、留美様、ご主人様。また後で・・・」
そういって加奈は退室し美咲にスーツ一式を届けに向かった。
(ふぅ・・・先にいなり寿司を作っておいて正解だったわね・・・)
美咲にスーツを渡した加奈は、美咲がいなり寿司以外の料理を作り終えていたのを見て安心する。
美咲は「あ、ありがとうございます! さっそく着替えてまいります!」と言って自分の部屋に戻っていった。
お弁当の横には美咲が搾ったものと思われる母乳の入った水筒が2本置いてあった。一つが加奈の分、もう一つが留美の分であろう。
(では、水筒の準備ですね・・・)
加奈は保存してある自分のと留美の母乳を取り出し、空の水筒に注いでいく。
その時である。少し勢いが強かったのか、留美の母乳がピチョンと跳ね
「・・・あらっ?」
加奈の頬についていた。
加奈はそれを指でふき取ると
(そういえば・・・どんな味なんでしょうか・・・)
と思い、舐めてみることにする。
料理には使ったことのある母乳だが、生でそのまま味わったことは無い。普通の牛乳と大差ないのだろうか。
そう思いながら口を近づける。
――――――ペロッ
舐めたのはたった一滴であった。しかし・・・
(!!! え?!な、なんて美味しいの?!)
その味は普通の牛乳と比べて格別であった。彼女の舐めた留美の母乳は甘味が強く、とろみもある。
(甘いし、トロトロしてて・・・)
そして何より
(・・・癖になっちゃう・・・)
気がつくと彼女は保存してある3人の母乳をそれぞれコップに一杯ずつ入れ、飲み比べをしていた。
まずは留美の母乳。
「・・・ゴキュ・・・ゴキュ・・・っぷは、やっぱり甘くて美味しいわ・・・」
その味を知ったらもう牛乳など飲んでいられないほどであった。
(次は・・・)
次に手をつけたのは自分の母乳であった。
「・・・ゴク、ゴク・・・ゴク・・・っぷはぁ。 留美様のものより甘味は薄いけどサラサラしてて飲みやすいわね。ご主人様の仰っていた通りだわ・・・」
初めて飲んだ自分の母乳。その味は甘味が薄い(と言っても並みの牛乳よりは断然甘い)が、その喉越しは素晴らしかった。
(さて、最後に・・・)
残ったのは美咲の母乳である。
美咲の母乳はコップに注いでいる時にも思ったがとろみと香りがものすごい。
加奈は持っていたコップを一気に傾けた。
「・・・ゴ、キュ・・・ゴ、キュ・・・ぷ、はぁ〜・・・なんて甘いの・・・それに、トロットロで・・・病みつきになっちゃう・・・」
どうやら加奈の中では美咲の母乳が一番好みのようだ。その味は3つの中でもずば抜けて甘く、口の中にしっかりと味が残るほどトロトロである。
「・・・けぷっ」
(す、少し飲み過ぎたかしら・・・まあまだまだこんなに残ってるし、大丈夫でしょう。)
そうして味比べをしたことが分からないように片づけていく加奈。
そして完全に片づけ終わり、準備が整った時
「お待たせいたしました! ・・・あら?留美様は・・・」
スーツに着替えた美咲がやってきた。長く艶のある黒髪も高い位置で結んでポニーテールのようにしている。
「ええ、まだいらっしゃってないわ。」
「そうなんですか・・・あ、これがお弁当ですか! うわぁ、綺麗に彩りされてて・・・流石です加奈様!」
そういって加奈の前を通り過ぎお弁当を覗きこむ美咲。
しかし加奈は別のことを考えていた。
(ああ・・・美咲ちゃんの・・・おっぱい・・・)
美咲が加奈の前を通った際、微かな甘い匂いを感じた加奈。まだ彼女の母乳の味が忘れられない加奈は