先祖がえり 47
「うふふふっ♪ 狐太郎しゃま・・・可愛いですぅ・・・ペロッ、ペロッ♪」
周囲にとてつもない母性を振りまきながらマーキングするかのように頬を擦り寄せ、舐めあげる。
その様子を見た二人は
「ああん!!コタちゃん!!おねえちゃんは?おねえちゃんの抱っこはいいの?」
「ご主人様・・・加奈のおっぱい、柔らかいですよ?」
そう言ってなんとか自分の胸に来るように誘う。
しかし寝ぼけている狐太郎は
「〜〜〜♪ 美咲ぃ〜♪」
嬉しそうに美咲の胸元をまさぐり
「あぁ〜〜〜ん・・・ハプッ♪」
「あぁん!! 狐太郎しゃまぁ♪」
美咲の母乳を吸いだした。
その様子をみて悔しそうな顔をする二人。
しかし二人は力づくで狐太郎を奪おうとはしなかった。
勿論狐太郎に嫌われるのを恐れたというのもあるが、彼女たちが思い出していたのは3人で母乳を搾ったあの食堂での話し合いである。
「・・・留美様、美咲さん。一つ提案があるのですが・・・」
話は加奈が切りだした。
「なにかしら? ・・・あら、美咲ちゃん。おっぱいの出が良くなったのね。」
「はい♪ たっくさん出るようになりました♪ 搾ってる今でもパンパンに張って痛いくらいです♪」
美咲は心底嬉しそうに母乳を搾る。
「・・・あの・・・」
話の腰を折られた加奈は再度二人に話かける。
「あら、ごめんね。で、なにかしら?」
素直に謝り話を聞く留美。美咲も母乳を搾りながら話を聞いているようだ。
「えっと・・・私たちがご主人様のことを第一に思うのは当たり前なのですが・・・でも御二方はさっき私がご主人様を御抱きした時・・・」
「ええ。正直悔しかったわね。」
あっさりと肯定する留美。ここで嘘をついていても仕方がないことである。
「そうですか・・・では私もそのように思ってしまうのでしょうね・・・」
「そうかもしれませんね・・・」
美咲も肯定する。
「・・・あの、そこでなのですが・・・『決まり事』を作りませんか?」
「決まり事?」
首を傾げる留美。それでも彼女の手はいまだに母乳を搾っている。
「はい。もし悔しさのあまり無理やりご主人様を世話する・・・あるいはご主人様のお世話を独り占めするなんてことが起こると、私たちも嫌ですし何よりご主人様自身が嫌がると思うんです・・・」
「そう・・・かも知れないわね。」
「・・・ですから、これからは『ご主人様に選んでもらう』ようにしてはどうでしょう?」
「選んでもらう・・・ですか?」
どういうことか分からない様子の美咲。
「ええ。元よりご主人様のご意見は何よりもまず尊重されるべきもの。そこで私たちが争うのではなく、ご主人様に選んでもらうよう私たちが努力するのです。」
「なるほどね・・・」
納得した様子の留美。
「そして、ご主人様に選んでもらった人は精いっぱいご主人様のお世話をするんです。その間他の人はその御世話を決して邪魔してはいけません。
勿論ご主人様がそれを望めば話は別ですが・・・どうでしょうか?」
二人に提案する加奈。
「・・・私はいいわよ?つまり、コタちゃんに選んでもらえるように女を磨くってことでしょ?」
「まぁ・・・そういうことにもなりますね・・・でも絶対に他の人が被害を被るようなことはやめてくださいね?そのようなことはきっとご主人様も望んでおられません。」
「ええ。分かっているわ。・・・美咲ちゃんは?」
「私は・・・狐太郎様のお傍に居られればそれで・・・」
そう言うと顔をポッと赤らめる美咲。もう完全に狐太郎にメロメロである。
「では、そういうことで・・・っと、もう一杯ですか。」
そういって新しい水筒に変え、さらに母乳を搾る加奈であった・・・
このことがあるため二人は美咲に手が出せない。
その間も
「美咲・・・美味しい♪」
そう言いながら美咲の母乳を吸う狐太郎。
「ふふふっ・・・狐太郎様・・・そんなに焦らなくても、私のおっぱいはたぁ〜っぷりありますよ・・・」
そういって愛おしそうに頭を撫でる美咲。
その耳は嬉しそうにピコピコしていて、尻尾は暴走していた時より数を減らして元の1本になっていて、その尻尾もフリフリと揺れている。
「・・・加奈ちゃん。夕飯にしましょうか?」
留美は悔しそうだが狐太郎に母乳を与えることが最優先と考え、美咲に狐太郎を任せることにする。
「はい。かしこまりました。もうしばらくお待ちくださいませ・・・」
そう言って加奈は食堂へと向かおうとした。
その途中で
「・・・美咲さん、食事の準備ですが・・・」
部下である美咲を呼ぶ加奈。しかし美咲は
「〜〜♪ 狐太郎様〜〜〜♪」
鼻歌交じりに狐太郎の頭を撫でている。
「・・・無理そうですね。はぁ・・・」
そう言って一人で食堂に向かう加奈。
その時
「・・・ねぇ、美咲。どうして美咲は僕の部屋に来てくれないの?」
母乳を吸うのをやめた狐太郎が美咲に質問する。
「えっ?それは・・・」
実はそういう決まりがあるとは言えない美咲。しかし狐太郎はそれを勘違いして
「もしかして・・・美咲は僕のこと・・・ふにゃ・・・」
だんだんと目に涙を浮かべ始める狐太郎。これには美咲だけでなく留美も、そして少し離れた加奈も狐太郎の元に駆け寄った。
「こ、コタちゃん!!泣かないで!!」
「ご主人様!!そのようなことございませんよ!!ほらっ美咲さんも!!」
そういって狐太郎を安心させる二人。