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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 46

この瞬間二人は「どちらが狐太郎の元へ行くか」という勝負が始まったことを内心悟った。二人とも「自分に振り向いてもらいたい」のである。

「・・・加奈ちゃん、そろそろ夕飯の準備をしてくれないかしら?もう陽も傾いているし・・・」

先に動いたのは留美であった。確かに今日は学校に行く予定だったがいろいろあったせいで結局行くことが出来ず、今ではすっかり陽が傾いてしまっている。

しかし加奈も負けじと

「・・・留美様も、いいのですか?ご主人様の生活の全てを源之助様より任せられたのですから、色々とやっておくべきことがあるのでは?」

加奈も応戦する。留美が今日狐太郎の身の回り全てを監督するように源之助に頼まれたことを加奈は話にあげる。

その時

「ふふふっ・・・狐太郎様〜♪ ・・・あら?」

鼻歌交じりにやってきたのはもう一人のメイド美咲である。

美咲は二人の姿に気づいたのか

「留美様、加奈様、どうされたのですか?狐太郎様の部屋の前で。」

美咲は「はて?」と首を傾げる。

「美咲ちゃんこそどうしたの?楽しそうに」

留美は警戒しながら尋ねる。

「ふぇ?私は狐太郎様のお世話をしようと・・・まだ寝ていらっしゃるでしょうから。」

そう言って胸を張る美咲。3人の中で一番弾力に富んだ胸が「ぶるるんっ」と揺れる。

それを見て

(・・・加奈ちゃん。)

(・・・ええ。留美様。)

目配せをする二人。どうやら一時休戦としてまずは美咲からのようである。

「・・・美咲ちゃん?まだあなたがこの部屋に入ることをコタちゃんは許して無いと思うのだけれど?」

まずは留美。

「えっ?でも前に留美様が「特別に許す」と・・・」

「あれは緊急事態だったからだわ。今はそうじゃないもの。もうその許可は無効よ。」

「そ、そんな・・・で、でも!」

「美咲さん。あなたが従うべき方は誰ですか?」

続けて加奈。いきなりの質問に言い淀む美咲。

「うっ、それは・・・」

「・・・誰です?」

「・・・こ、狐太郎様です。」

「それから?」

「留美様・・・」

「あとは?」

「・・・か、加奈様です。」

それを聞いた加奈は

「そうですね。では・・・命令です。あなたは今回この部屋に入ることを禁止します。」

「ええっ?!そ、それはひどいです!!加奈様こそ、私に罰を与えるということで「常に私のそばに居るように」っておっしゃったじゃないですか!」

「う、うぐっ・・・それは・・・」

思わぬ美咲の反撃に言葉を詰まらせる加奈。それをフォローするのが

「あら?「罰」?どういうことかしら?加奈ちゃん。」

留美のこの質問であった。

「はい・・・前に美咲さんがワンちゃんのようになってしまった時、私と留美様にはむかった罰として・・・」

「あら、そうだったの。」

それを聞いた留美は美咲の方へ向き直り

「それじゃあ私からも罰を与えないとね。」

そう宣言する。

「!!!  そ、それは?!」

「だってそうでしょ?あなたは加奈ちゃんだけじゃなく私にも「ぐるる〜」って可愛く威嚇してきたのよ?必死にコタちゃんを守ってて可愛らしかったけど、でも威嚇したことには変わりないわ?」

「・・・は、はい・・・」

「だったら私からも罰を受けるのが普通じゃなくて?」

「・・・あう・・・」

その話を持ち出されたら何も言えない。美咲はただ悔しそうに呻くだけであった。

「と、言うわけで・・・美咲ちゃん?罰として『あなたへの入室許可を取り消す』わ。」

「や、やっぱりぃ〜・・・」

おおかた予想していたのであろう。しかしこれで完全に美咲は部屋に入ることが出来なくなった。

「さて、加奈ちゃん?あなたは美咲ちゃんと夕飯の支度、お願いね?」

美咲が落ちたと分かった留美はすかさず加奈にも仕掛ける。

「!!  そ、そんな!!」

「あら?加奈ちゃん。『監督者』の私が言ってるのよ?私の言葉はお爺様の言葉・・・違った?」

とどめの一言を言う留美。これではいくら加奈でも何も言えない。

留美は嬉しそうに笑って扉に手をかけようとした。


その時

――――――ガチャ

留美が扉に触れる前に部屋の向こうから扉が開かれた。

「えっ?」

留美が驚きの声をあげたその向こうには

「・・・んにゅ〜・・・?」

髪の毛は寝癖がつき、着ている服は肩のあたりがはだけ、目はまだ寝ぼけているのかトロンとしており、脇には枕を抱えた、目をこすっている狐太郎が居た。

「こ、コタちゃん。一人で起きたの?」

狐太郎への母性が人一倍大きくなった(元々母性の塊のようなものだが)留美は狐太郎の成長に若干嬉しそうに話しかける。

しかし狐太郎は

「・・・んへぇ〜・・・?ふぁあ・・・」

完全に寝ぼけている。可愛い欠伸付きだ。

そして狐太郎は無言で3人を見回した後

「・・・えへぇ♪」

フニャっと笑ったかと思うと

「え?あ・・・狐太郎様・・・」

美咲の元へと近づきキュッと美咲を抱きしめた。

さらに

「(ゴロゴロっ♪)・・・抱っこぉ・・・」

喉を鳴らしながら美咲に抱っこをせがむ。

その仕草に完全にやられた3人。特に美咲は

「はぁ〜・・・狐太郎しゃま・・・狐太郎しゃまぁっ!」

そう言って満面の笑みで狐太郎を抱き上げる。

そして

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