先祖がえり 201
それからすぐのこと
「(コンコン)・・・失礼します。明美様・・・」
加奈は再度明美の部屋へと戻って来ていた。
「どうぞ。いらっしゃい。」
明美からの入室許可がおりると、加奈は部屋に入っていった。
その胸には
「・・・あらあら。随分可愛らしいお客さんね。」
「・・・んんぅ〜・・・」
明美にとって実の息子である狐太郎が抱かれていた。
「申し訳ございません・・・いつもは食堂での用事が終わるまで待っていただくのですが、今日は眠たいのか、そういう気分ではないご様子で・・・」
加奈は自分の胸に抱かれた狐太郎の姿を見せる。確かになんだか眠そうだ。
「いいのよ。それに、私だってこの子と一緒に寝れるだなんて嬉しいわ。」
「・・・へっ?一緒に寝る?」
明美は加奈から狐太郎を慎重に受け取るが、加奈の方は明美の言葉の意味が分からず驚いている。
「あの・・・そういうわけでは無くて、私達の用事が終わるまで預かっていただければ・・・その後は私達が迎えに・・・」
どうやら加奈の方は一時的に明美にあずかってもらい、後で迎えに来て、一緒に寝ようと思っていたらしい。
だが
「そう。じゃあ今日は私がこの子と寝るから。あなたは用事を済ませたら寝て良いわ。」
明美は狐太郎の頭を撫でながらそう宣言する。
「そんなっ!ズルいですっ!」
当然そうはさせまいと食い下がる加奈。
しかし明美はそうなると予想済みだったのか、加奈の耳元に顔を寄せると
「・・・今日は久しぶりにこの子と一緒に寝たいの。お願い。 もし許してくれたら・・・今度『この子が抱っこさせてくれやすくなる方法』・・・教えてあげるわ?」
狐太郎に聞こえない声で加奈に話しかける。
「!!! ほ、本当ですか?」
「ええ・・・もちろん100%では無いけど、今よりは抱っこをせがむようになるはずよ?どうかしら?」
明美の言葉に加奈は少しの間沈黙すると
「・・・では、私は用事があるので。ご主人様のこと、よろしくお願いします。」
そう言い残しその場を離れて行った。
「さて・・・こーちゃん♪ もう眠たいの?」
加奈がいなくなり、狐太郎と二人きりになった明美は、久々に会った我が子を思いっきり甘やかせるべく、ベットへと向かった。
その間に自分と狐太郎の両方の服を脱がせ、裸でベットへと入っていく。
「・・・んぁ、ママぁ?」
どうやらまだ起きていたのか、服を脱がされる途中で声をあげる狐太郎。
そして自分を抱いているのが明美だと分かると
「・・・んふぁ〜う♪」
そのまま明美の胸へと顔をうずめていく。
「んふふっ・・・こーちゃん♪ こーちゃぁ〜ん♪」
明美の方も甘えられて嬉しいのか、狐太郎の頭を撫でながら、器用にベットへと入っていく。
そして、ベットに入り終わるとほぼ同時に
「ふぅ・・・ハプッ♪」
「あんっ!・・・あらあら。この子ったら・・・♪」
狐太郎が明美の乳首を咥えていた。
明美は振り払うこと無く、むしろ自分から進んで乳首を咥えさせていた。
というのも
「・・・ン・・・ジュ・・・ンクッ・・・ンクッ・・・」
「こらこら。慌てないの。・・・どう?美味しい?」
狐太郎の口元には白い筋が現れていた。
昔から胸が大きかった明美。そのせいか、体質的に母乳が出ることがあった。
もちろんそれは母となっても続いていて、元々の体質と重なってか、それはもう母乳の出が良かった。
さらに、母乳体質は変わることなく、今でもこうして出てくるのである。
そのせいか、加奈が言う「用事」がなんなのかすぐに分かった。彼女も母乳が出るのだろうと言うことも。
他にも実際に胸を触った美咲や留美なんかも出るのではと予想している。
「・・・ンクッ・・・ジュ、ズズズッ・・・」
明美は一生懸命自分の母乳を飲もうとする狐太郎の頭を撫でながら、自分の最も大切な・・・それこそ、自分の命より大切なものを愛でていた。
(・・・この子、尻尾や耳まで生えて・・・すっかり『真の者』らしくなって・・・)
頭を撫でながら、時折ピクピクと動く耳を触ってやると
「・・・んぁぅ・・・」
くすぐったそうな声が返ってくる。
(あぁ・・・可愛い・・・でも、背格好は小さい頃と変わらないわね・・・)