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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 3

「・・・!!!!」

少し涙をも浮かべていた顔から一変、ハッとした顔を浮かべたかと思うと彼女は笑顔を満開にしていた。

「そう、そうよ!コタちty・・・」

「うわぁ〜ん!!留美お姉ちゃ〜〜〜ん!!!」

留美の肯定のセリフを全て聞き終わる前に抱きつく狐太郎。

それもそのはず彼にとって留美は従姉弟と言えども姉同然であり、理解者であり、希望でもあった。

普段から孤独だった彼は自然とその希望に抱きついていた。

「コタちゃん・・・」

今度は逆にいきなり抱きつかれた留美だが、狐太郎が涙を浮かべているのを理解し、優しく抱きしめる。

「うぅ・・・ぐす・・・ぐす・・・」

心が温まっていくのを感じる狐太郎。もう絶対に離したくない温かみが彼を包んでいた。

「大丈夫よ、コタちゃん・・・私が守ってあげるから・・・」

彼の記憶通りの言葉と共に抱きしめる彼女。

「・・・加奈ちゃん。お疲れ様。ありがとうね。」

「いえ、とんでもございません、留美様。それより、無事再会出来て本当に良かったです・・・」

まるで自分のことのように感動する加奈。
「ぐす・・・留美お姉ちゃ〜ん・・・」

「?  どうしたの?コタちゃん」

落ちついてきたのか、狐太郎は留美の大きな胸の中で声をあげる。

そして若干の涙を伴ったウルウルとした上目遣いで留美を見上げ

「もう絶対・・・絶対離れ離れにならない?・・・」

心配そうに尋ねる。その瞳に彼を溺愛している留美は

(はうぅ!コタちゃん、可愛い・・・可愛いよぉ!反則だよぉ!)

と心の中で悶えながら

「うん!安心して!もう絶対に離れ離れにならないから・・・ずっと一緒だから・・・」

と答え、再度彼を抱きしめ直した。

それを聞いて安心したのか、狐太郎も彼女の胸に顔をうずめていた。


と、その時である。

「ふむ、到着したか。」

突然部屋の中に響く太い声。

その声に驚いた狐太郎は

「!!   (キュッ)」

無言で留美を抱きしめている。どうやら怖かったのであろう。

「・・・大丈夫よ、コタちゃん。ほら、御覧なさい?」

その声にのせられ、不安になりながらもゆっくりと声のした方へ顔を向ける。

そこに居たのは彼の記憶にある人物であった。

「・・・おじいちゃん?・・・」

「ほぉ・・・覚えておったのか。嬉しいのぉ。」

そこに居たのは狐太郎の祖父、源之助であった。

「うん・・・お久しぶりです、おじいちゃん・・・」

少し戸惑いながらも挨拶をする狐太郎。しかしその腕は留美を抱きしめたままである。

「お爺様、そんなに怖い顔をしないでください。コタちゃんが怖がってます・・・」

源之助は留美に指摘され、幾分か優しい顔つきになる。

「おぉ、すまんすまん。怖がらせてごめんな、狐太郎・・・」

源之助にとっても狐太郎は可愛い孫である。その孫が怖がってると分かると優しくせざるをえない。

「ううん、大丈夫だよ。それで・・・?」
どうしてここに自分を連れてきたのか。そう尋ねたい狐太郎は留美に抱きついたまま源之助を見上げる。

「そうじゃな・・・まあ立ち話もなんじゃ、こっちにおいで。」

そう言われて留美と共に近くのソファーに座ろうとする。

「・・・お姉ちゃ〜ん・・・」

しかしまだ若干の不安を感じているのであろう。狐太郎は留美に抱きつくような感じで留美の膝の上に座った。

「大丈夫よ・・・コタちゃん・・・」

狐太郎を優しく抱き留める留美。狐太郎の方もこのまま源之助の話を聞くようである。

「さて、狐太郎をここに連れてきた理由じゃが・・・狐太郎、お前は自分が今どの立場に居るか分かっておるか?」

「ふぇぇ??・・・」

留美に頭を優しく撫でられながら話を聞いていた狐太郎だが、源之助の言い方に不安を覚え、戸惑ってしまう。

「ああ、すまん。そういう意味ではない。・・・ならば単刀直入に言おう。狐太郎、お前は将来この『木崎コンツェルン』を束ねることとなるかもしれないのだ・・・」

「!!」

何を言い出すかと思えば、自分の予想をはるかに超えた事実に狐太郎は驚きを隠せない。

「えっ!・・・でも、なんで僕なんですか?跡取りなら僕のお父さんとか・・・他にもたくさんいるじゃないですか」

狐太郎の質問ももっともだ。なぜ自分なのか。他に最適な人がいるではないか。

「それがのぉ・・・我が木崎家ではある言い伝えが残されておっての・・・」

「言い伝え?」

またも自分の理解しえないところに話が進み、思わず留美を抱きしめる狐太郎。

留美の方も狐太郎の不安が伝わったのか、さらに優しく、それでいて強く狐太郎を抱きしめ、頭を撫でる。

「そうじゃ・・・『木崎の男子、14の歳にて真(まこと)になる者あり。真の者、木崎家を率いるであろう』というものじゃ・・・」

「まこ・・・と・・・??」

「うむ。我々木崎家のご先祖様の中には14歳の時に真の男になるお方がおったそうじゃ。そのお方は木崎家の家主となって木崎家を率いたそうじゃ・・・」

「じゃあ・・・おじいちゃんもなの?」

自分の祖父がよく分からない「真の者」かもしれないという事実に狐太郎は驚きを隠せない。

しかし

「いや、わしは違う・・・そもそもここ何代かに渡って、木崎家には真の者は現れておらん。」

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