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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 192

その時

「あっ・・・ご主人様!!」

女性に近寄ってくる者がいた。

「あらら・・・見つかっちゃった。」

女性は自分を見つけた者の方を向く。

「・・・あなたは何者ですか?見たところ、この学校の者ではなさそうですが・・・」

近寄って来た者―――加奈は幾分か緊張した面持ちで話しかける。

さらに

「加奈様?!」

「見つけられたのですか?!」

「・・・? この人は・・・?」

加奈のもとに美咲、里美、真由の3人が合流する。

「・・・分かりません。ですが・・・」

加奈は一歩踏み出すと

「・・・もう一度聞きます。あなたは何者ですか?そして・・・なぜあなたがその方を抱いていらっしゃるのですか?」

目の前の女性に聞きだす。

周りの3人も緊張している。特に里美はいつ命令されても良いように体勢を整えている。

「あらあら・・・もしかして私、今ものすごく怒られてる?」

しかし目の前の女性はまるで動じない様子でとぼけてみせる。

「・・・なるほど、答える気は無いと・・・では、とりあえずその方をこちらに渡していただけませんか?」

加奈は女性の返事に更に表情を厳しくさせると、とりあえず狐太郎の無事を取ることにした。

だが

「う〜ん・・・でもこの子、今寝付いたばっかりだし・・・」

女性はすぐに返そうとしない。

その返事を聞いて加奈は痺れを切らしたのか

「・・・里美さんっ!!ご主人様をこちらに!!」

「ハッ!」

近くに居た里美に命令を下す。

里美は一瞬で女性の背後に周り

「・・・さあ、早く渡しなさい。あなたなんかが触れていい方じゃないわ・・・」

いつの間にか用意していたナイフを女性の首筋に近づける。

「まあ・・・乱暴なのね・・・あなたみたいなのがこの子を守ってるの?」

「なっ?!」

しかし女性は臆することなく里美に話しかけてくる。

里美はその一言でプライドを傷つけられたのか

「・・・いいだろう。なら、力ずくで!!」

そう言ってナイフを握り直す。



その時


「やめなさい!!里美ちゃん!!」

その場にもう一人女性が現れる。

「・・・留美様・・・」

加奈は現れた女性の方を向いて軽く頭を下げる。

「ええ。それよりも・・・里美ちゃん、今すぐその手の物を片付けて。そして、その人から離れなさい。」

「で、ですがっ!!」

「聞こえないの?!これは命令よ!早くしなさい!」

「・・・わかりました。」

留美の突然の命令に不満そうな顔をしながら里美は女性から一歩離れる。

すると

「ふぅ・・・ありがとう、留美ちゃん。助かったわ。」

女性はホッとしたかのように顔を緩め、留美に感謝する。

しかし、その場にいた女性達はその言葉を聞いて表情を難しくしていた。

「・・・留美・・・『ちゃん』?」

我慢の限界に達したのか、加奈が一歩前に出ようとするが

「加奈ちゃん!!」

先に留美に止められてしまう。

「い、良いのですか?! この人、今留美様のことっ!」

「いいから!!」

留美は加奈を止めると、改めて女性の方を向きなおした。


そして


「・・・ごめんなさい、『義叔母さん』。もう少しで大変なことになるところでした・・・」

留美は女性に謝ると同時に、聞き捨てならない言葉を放った。

「「「「!?」」」」

近くにいた4人は揃って息をのむ。

「いいのよ。それに、私のことは名前で呼んでって言わなかったかしら?」

「っと・・・ごめんなさい、明美さん。」

「ふふふっ・・・謝ってばっかりね。」

明美と呼ばれた女性は留美の返事に笑っていた。

しかし

「あ・・・あの・・・留美様、この人は・・・」

加奈はもしやといった表情で留美に確認を取る。

その顔には既に冷や汗が流れていた。

他の3人も留美の返事を待つ。

すると

「・・・この人は私の叔父の奥さん。つまり・・・コタちゃんのお母さんよ。」

留美の紹介に周りの女性達、特に加奈と里美は慌て始める。

「そ、そんな・・・」

「私・・・なんてことを・・・」

おそらく二人はさっきまでの無礼な態度を思い出しているのだろう。

美咲と真由も、特に何もしていないとは言え、自分の主の母親という雲の上の存在に会ったことに茫然としている。

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