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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 191

「・・・コタちゃーん。ごめんね。遅くなっちゃった。」

丁度会議を終わらせた留美は狐太郎が居るはずの校長室へと戻って来ていた。

「・・・あれ?コタちゃーん?」

しかし、狐太郎は留美の呼び掛けに答えない。

「こ、コタちゃん?どこにいるの?コタちゃん?!」

まるで返事が返って来ないことに焦る留美。

「どうしました?留美様。」

後ろに居た加奈がその様子に気づいて声をかける。

「か、加奈ちゃん!!大変よ!コタちゃんが居ないわ!!」

「ええっ?!」

留美の言葉に加奈まで慌て始める。

「と、とにかく!!真由ちゃん、それから美咲ちゃんに連絡してっ!!あ、それから念のために里美ちゃんにも!!」

「はいっ!!かしこましました!!」

そう言うと加奈は慌てて部屋を後にする。

「こうしちゃいられないわ・・・コタちゃーん?!」

留美もその後すぐ部屋を後にして、狐太郎を探し始めた。




「そろそろ帰らないと・・・もう会議終わってるよね。」

狐太郎は校舎見物が終わると校長室へと戻っていた。

奇しくもそれは留美達と入れ違いになっていたのだが・・・

「・・・? あれは・・・?」

もう少しで校長室といった辺り、廊下の角に誰かいるのに気がついた。

「・・・お姉ちゃんかな。」

狐太郎はゆっくりとそちらに近づいて行った。




一方、校舎内を歩く女性。

「・・・こんなものね。今日はあの子は来てないのかしら・・・」

一通り見て回ったが、「あの子」は見当たらない。

「そうね・・・また今度にしましょうか・・・」

女性がそう言って諦めかけたその時


「・・・へっ?」

「あらっ?」


二人の視線が交錯する。

女性の目に映ったのは

「・・・ひゃうっ!!」

慌てて近くの物陰に隠れる狐太郎であった。

狐太郎が留美だと思ったのは彼女であった。

怖がって物陰でプルプルと震える狐太郎。

しかし

「・・・ああっ・・・やっと見つけた・・・♪」

女性は嬉しそうに狐太郎のもとへと近づいて行く。

ゆっくりと近づいてくる足音に

「・・・い、いやぁ・・・」

なおも怯える狐太郎。

すると狐太郎の上から

「・・・大丈夫よ・・・ほら、何もしないわ・・・」

優しく声がかけられる。

その声に狐太郎は少し安心したが

「・・・?! ひぅっ!!」

謎の女性が手を伸ばして来たのを感じるとまた怖くなって小さくなってしまう。

このまま何かされるのか・・・

そう思っていた狐太郎だが

「・・・・あ、あれ?」

まるで触れられる様子が無い。

恐る恐る見上げてみると

「・・・大丈夫よ。大丈夫。何もしないから・・・怖くないわ・・・」

優しく微笑んだ女性が自分に手を差し伸べていた。

涙ぐんでいた狐太郎はその女性が誰なのかは分からなかったが、自分に危害を加える訳ではないと分かり

――――――――キュ・・・

ゆっくりと差し出された手を握っていた。

「そう・・・何もしないわ・・・おいで?」

女性はさらにもう片方の腕を差し出し、自分の胸に飛び込んでくるよう言う。

「ほら・・・安心して・・・ね?」

最初こそ怖がっていた狐太郎だが、今では安心したのか

「・・・うん・・・」

そう一言頷くと、女性の胸に抱きついていた。


「ほら・・・大丈夫でしょ?」

そう言うと女性は狐太郎を抱き上げ頭を撫でてくる。

狐太郎も不思議と彼女に抱かれると安心するのか、もうすでに全く警戒をしていない様子だ。

それどころか

「・・・さぁ、おやすみなさい・・・」

女性がそう言って狐太郎を軽く揺さぶると

「・・・え・・・は、れ・・・?」

なぜか急に眠たくなり

「・・・すー・・・すー・・・」

幸せそうな顔で眠ってしまった。

女性は眠ってしまった狐太郎の顔を覗きながら

「・・・全然変わってない・・・可愛い・・・」

優しい微笑みを浮かべていた。



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