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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 167

(なにやら薄気味悪いところですね・・・急ぎましょう。)

このあたりの道はある程度理解している。間違ってはいないはずだ。

だがいかんせんその道は気味が悪い。加奈は急いで大通りに出ることにする。


しかし


「ちょっと待ちな。」

「!!!」

突然前から現れたガラの悪い男。驚いて後ろを振り向くと

「・・・な、囲まれてる・・・」

後ろまでしっかり囲まれていた。

「ほう・・・見れば見るほど上玉だ。どうだい、俺の女にならないか?」

リーダー格と思われる男が近づいてくる。

「・・・いえ、結構です。」

加奈は気丈に答えると、狐太郎を守るために荷物を持ち変え、狐太郎をきつく抱きしめる。

抱きしめた狐太郎の背中はプルプル震えていた。

「ほぉ・・・状況がわかっていないのか?これだけの男に囲まれてるんだ。返事は一つしかないと思うが・・・?」

リーダー格の男に2人ほど近寄る。腰巾着だろうか。

それ以外にも囲んでいた男たちが少しずつ近づいてくる。


その時


「・・・!!」

「あっ!!ご主人様?!」

狐太郎は突然加奈のもとから離れると

「や、やめろ!!加奈に手を出すなぁ!!」

加奈を守るべくリーダー格の男と対峙する。

「・・・なんだぁ?」

「うううぅ〜〜〜〜・・・・」

だがその耳や手足は震え、尻尾もすっかり丸まっている。

よほど怖いのだろうが、何とか加奈を守ろうとする。

「ご、ご主人様!!いけません!こちらへ!!」

加奈は慌てて呼び戻そうとするが

「・・・おいガキ!邪魔だっ!!」

「うわぁっ!!」

腰巾着らしき男が狐太郎を振りはらった。

「ご主人様?!」

それだけでなく

「おい、よくも兄貴の邪魔をしたな!こいつめ!」

「あうっ!!くあああ!!」

今度は殴る蹴るの暴行を始める。

「ご主人様!!ご主人様ぁ!!」

そしてそれが収まった頃には

「うぅ・・・・・・」

狐太郎は動かなくなってしまった。


「・・・ははっ。ほら、あんたもこんな風になりたくなかったら、大人しく・・・」

リーダー格の男は狐太郎を一瞥すると、加奈の方を振り向いた。

だが


「・・・よ・・・も・・・」

「あん?」

「よくも・・・よくもご主人様を!!!!」

そこに居たのは美しい女性ではなく、完全に怒りに震える鬼のような女性であった。


「・・・もしもし。」

『・・・加奈ちゃん?どうしたの?』

加奈は携帯電話を取り出し、留美へと電話していた。

男達は突然の事にあっけに取られている。

「・・・買い物の帰りに、男達に囲まれまして・・・」

『・・・それで?』

「・・・・・ご主人様が、暴行されました。」

『・・・・・・・なんですって・・・』

電話の向こうの留美の声のトーンが一瞬で変わる。

何かペンを握っていたのか「バキッ」という音が聞こえてきた。

『・・・・場所は?』

「本社ビルの前の路地裏です。」

『そう・・・舐めたマネしてくれるわね・・・わかったわ。すぐに応援を向かわせるわ。加奈ちゃんは何とか話を延ばしておいて。』

「わかりました。」



男達は手を出してはいけないものに手を出してしまった。




「・・・お呼びでしょうか。」

本社の留美の部屋。そこに呼び出されたのは

「・・・里美ちゃん、緊急事態よ。コタちゃんが暴行されたわ。」

戦闘部隊隊長の里美であった。

「んなっ!!・・・場所は?!」

「ビル前の路地裏。人数は不明。おそらく15人ぐらいだわ。」

「路地裏・・・それでは大人数で行くと動きにくいですね・・・」

「そうね・・・緊急命令よ。あなた単独で現場に向かって。目標はコタちゃんと加奈ちゃんの救出。それと・・・」

「・・・男達の捕縛、ですか?」

「ええ。本社で預かって、自分の罪を理解させてあげるわ。では、今すぐ向かって。」

「ハッ!!」

留美の命令によって、木崎コンツェルン最強の女性が出動した。



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