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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 166

――――――――翌日

「・・・それで、こんなにたくさん・・・何を作りましょう?」

亜紀は厨房で困り果てていた。

「ええ・・・いくつか思いつくのですが・・・とても使いきれませんね・・・」

隣りで説明をした加奈も首を傾げていた。

彼女たちの目の前には昨日大量に搾った母乳が入った瓶が何本も並んでいた。

「シチューやグラタン・・・スープ・・・」

「そうですね・・・もしかしたらバターなんかも作れるかもしれませんね。」

「バターは脂肪分が多くないと・・・いけますか?」

「・・・誰の母乳だと思ってるんです?」

加奈は少しおどけてみせる。

「あははっ・・・やってみますか?」

「ええ。これだけあるんですもの。」

「ですが・・・いろいろ材料が足りませんね。」

「そうですね・・・今日にでも私が買いに行きましょう。」

「お願いできますか?」

「ええ。さあ、とりあえずある分で作りましょう。」


これからしばらくは母乳を使った料理が続きそうだ。




「あらら・・・今日、か・・・」

「ええ。・・・なにか?」

加奈は朝食後、留美に買い物に行く旨を伝える。

だが留美は困ったような顔になる。

「う〜ん・・・今日は皆学校に行くでしょ?私も本社に呼ばれてて・・・里美ちゃんも呼ばれてるの。」

「・・・つまり、私が買い物に行ってしまうと・・・」

「ええ・・・コタちゃんが屋敷で一人になってしまうわ。私が本社に居るから学校にも・・・」

どうすべきか・・・そう悩んでいると


「・・・お買い物に行くの?」

いつの間にか留美の部屋を覗く者が居た。

「あら・・・コタちゃん。お昼寝はいいの?」

「うん・・・それより、買い物?」

狐太郎はテテテッと近寄ってくる。

「ええ。加奈ちゃんが買い物に行くんだけど・・・」

「僕も行く!」

狐太郎はそれを聞くなり加奈に飛びついた。

「っと・・・ご主人様?」

加奈は上手に狐太郎を受け止め、抱き上げる。

「コタちゃん、いいの?」

「うんっ!お外にも出たかったし。それに、加奈と一緒なら・・・♪」

「ああんっ!・・・ご主人様・・・♪」

狐太郎は加奈にじゃれついてくる。

それを見た留美は

「なら・・・加奈ちゃん、頼めるかしら?」

申し訳なさそうに加奈に頼む。

「あ、はい。お任せください。」

加奈は久々に狐太郎と二人きりだと思うと嬉しそうに頷いた。

「・・・いいこと?何があってもコタちゃんを守るのよ。何かあったらすぐ私に連絡して。いいわね?」

留美は心配そうに何度も確認する。

「ええ、そうさせていただきます。それではご主人様、行きましょうか。」

「うんっ!」


こうして加奈と狐太郎は買い物に向かうことになった。




「・・・加奈ぁ、やっぱり僕も持つよ?」

「いけません!メイドである私がご主人様に荷物を持たせるなど・・・」

買い物を終えた帰り道。

今加奈は両手に荷物を持ち、狐太郎も抱えている。

「でも・・・」

「私なら大丈夫です。それよりご主人様、喉など乾いておりませんか?」

「いや、大丈夫・・・」

「でしたら、もう少しお待ちください。そうですね・・・近道をしましょう。こちらです。」

加奈は狐太郎と荷物を早く屋敷に届けるため細い路地裏を急ぐ。


その時、事件は起こった。


「・・・あ、兄貴。あれ見てくださいよ!」

「あん?・・・おお、ありゃあものすげぇ上玉じゃねぇか!」

運悪く、加奈が入りこんだこの路地裏は、いわゆる街のゴロツキたちの根城であった。

近くに木崎コンツェルンの本社ビルが見えるこの路地裏。だが灯台もと暗しというように、そこは治安も悪く、道も入り組んでいた。

「おい、今すぐ手下を全員呼んで来い。あの女を頂くぞ。」

「わかりましたっ!おい!手下を全員集めろ!」

彼らが見つけた女とは、まさに加奈の事であった。



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