先祖がえり 152
すると加奈は二つのうち一つを
「・・・ください。」
「え、あ、はい・・・どうぞ。」
里美から受け取ると
「ふふふっ。乾杯です。」
そう言ってコップの中を飲み始めた。
「か、加奈様?!」
「・・・ンクッ・・・ンクッ・・・っぷぁ。すごいクリーミーね。美咲さんのとろみ・・・ともまた違うわね。」
「あ、あの・・・」
何が起こったのか分からない様子の里美。
しかしそんな里美を見て
「あら?飲まないの?」
加奈はもう一つのコップの中を飲むよう促す。
「え、あ・・・い、いただきます。」
「ふふっ。いただきますだなんて・・・あなたのおっぱいでしょ?」
加奈は笑いながら里美が飲み干すのを待つ。
「・・・コクッ・・・コクッ・・・っぷは・・・」
「・・・どうです?おっぱいの味は・・・」
「・・・美味しいです・・・それに、すごく安心して・・・」
「そうですか。それは良かった。」
加奈は里美の感想を聞いて微笑んだ。
「・・・あの、加奈様・・・」
「はい。なんでしょう?」
その加奈の表情をみて里美は質問する。
「・・・加奈様も・・・お、おっぱいは出るのですか?」
「あら・・・ふふふっ。出ますよ。飲みたいですか?」
加奈はいたずらっぽく笑ってみせる。
「で、できれば・・・」
里美はもう加奈の深い谷間しか見ていない。
だが
「・・・ダメです。これはご主人様のものですから。」
「あう・・・そうですか・・・」
里美はおあずけをくらってしまう。
「・・・それに、私のはマグカップどころでは済みません。せめてボウルが4個ほどいります。」
「えっ?!そ、そんなに出るんですか?!」
自分と加奈との差に驚く里美。
今ではすっかり従順な一人の乙女になっていた。
「ええ。ここまで大きくなると・・・あ、一応、151cmです♪」
加奈は乳房の表面をさすりながら、サイズを言って微笑んだ。
里美もまた、彼女の胸を見て「私も大きくしたい」と思うのであった。
「・・・というわけで、今日からこの屋敷でメイドとして働く里美ちゃんよ。」
「黒江 里美だ。よろしく頼む。」
届いたメイド服に身を包んだ里美は同僚達の前で自己紹介をする。
彼女達と里美は「対等」であると教え込まれているので、その口調こそ留美達と話す時と違うが、その物腰は柔らかだ。
「昨日は私の部下が迷惑をかけた。すまない。」
里美は素直に頭を下げる。彼女の中で、対等な仲間に頭を下げることは苦では無かった。
こうして屋敷に一人メイドが、しかもとびきり有能なメイドが加わった。
余談だが
「・・・ここか。」
自分の部屋に案内された里美。
「机の上に服があるとのことだが・・・」
彼女が机の上を見ると
「・・・!!」
そこにはメイド服ともう一着、彼女の新しい戦闘服が用意されていた。
「・・・加奈様・・・」
この時里美と主達との主従関係がさらに固まった。
「・・・ところで亜紀ちゃん、里美さんの事なんだけど・・・」
屋敷の中には特に消灯時間などの決まりはない。
最近は真由が狐太郎の部屋に行ってしまうので、千恵や静香、琴音達はこぞって亜紀の部屋に夜な夜な集まって談笑をしていた。
理由は簡単。亜紀の部屋が一番整理されていて過ごしやすいからだ。
「ええ・・・良い人なんでしょうけど・・・」
亜紀は千恵の口から出て来た名前に苦笑いする。
「・・・ちょっと怖いですね。」
「・・・・・・厳しそう。」
琴音や静香も少しとっつきにくいらしい。
「う〜ん・・・そうか・・・」
千恵は何やら思案した後
「・・・ねえ、今から里美さんを誘ってみない?」
驚くべき提案をした。