PiPi's World 投稿小説

先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 133
 135
の最後へ

先祖がえり 135

「・・・じゃあ、琴音ちゃん。授業、お願い出来るかしら?」

テーブルに座った4人。狐太郎を左右から挟むように加奈と留美が座る。

狐太郎から見て右手に加奈、左手に留美である。

琴音はその向かい、狐太郎の正面に座っている。

「ええ。もちろんです。じゃあ・・・」

何をしようか・・・しばらく悩んだ後

「・・・そうだ!狐太郎様、お裁縫の経験は?」

「ふぇ?い、いや・・・あんまり・・・」

突然質問されて戸惑う狐太郎。裁縫の経験はあまりないようである。

「でしたら、今日はお裁縫で・・・お人形を作ってみましょう。」

そう言って裁縫道具を取りに行く琴音。

「・・・出来るかなぁ・・・」

不安そうにつぶやく狐太郎に

「出来るわ。コタちゃんなら。」

留美は優しくフォローを入れ、頭を撫でてやった。



「そうです。そこで・・・」

つきっきりで裁縫を教える琴音。

最初の話し合いによって、自分の人形を作ってみると言うことになった狐太郎。

しかしその腕前はなかなかのものであった。

「・・・はい、そうです。お上手ですね。」

琴音の褒め言葉にくすぐったそうにする狐太郎。

やり始めたころは慣れない針仕事にケガをしそうになる時もあり、その度に

「大丈夫ですか?!ご主人様!」

「大丈夫?!ああ・・・加奈ちゃん、いつでも医療班の準備を。」

「はい、かしこまりました。」

と、大袈裟なくらい心配していた留美と加奈だが

「上手いわ、コタちゃん!」

「はい。流石です、ご主人様。」

今では狐太郎の手捌きを琴音と一緒になって褒めている。



だが、ここで問題が発生する。

「・・・では、そろそろ仕上げに・・・」

完成が近付き、仕上げに入るといったその時


――――――――木崎先生、至急職員室に・・・

「えぇっ?!今?!」

なんと留美に呼び出しがかかってしまった。

(もう!よりによってなんで今なの?!)

行くべきか行かざるべきか・・・悩んでいると

「お姉ちゃん?行かないの?」

狐太郎が針を置いて留美を見つめる。

「あうぅ・・・コタちゃん・・・」

留美としては初めての狐太郎の裁縫の完成を間近で見たい。

だが

「行ってきなよ。僕なら大丈夫だから。」

屈託の無い笑顔を向けて留美を送り出そうとする狐太郎。

留美はしばらく悩んだ後

「・・・じゃあ、お姉ちゃん行ってくるね。加奈ちゃん、後の事、頼んだわよ?」

「はい、お任せください。」

そう言って部屋の扉を開け

「すぐ戻ってくるから!!」

教師でありながら廊下を全速力で駆けて行った。



「出来た!完成だよ!」

留美が部屋を出てすぐ、狐太郎の作った人形は完成した。

「お見事です!ご主人様!」

加奈は一緒になって喜び拍手をする。

「ええ。あまり経験が無いとのことでしたが、全くそうは思えませんでしたよ?お上手でした!」

教えていた琴音も笑顔で褒め称える。


「・・・さて、今日の授業はこれで終わりです。狐太郎様、お疲れ様でした。」

琴音は授業の終わりを告げると狐太郎のそばに近寄る。

「うんっ!琴音、ありがとうございました!」

狐太郎は初めての人形が完成したことがよほど嬉しかったのか

―――――――――ギュッ!

そのまま琴音に抱きついた。

「あ、はうぅ〜・・・」

(う、嬉しい・・・それに可愛い・・・)

狐太郎の反応に嬉しがる琴音。

そして狐太郎が離れると

「それじゃあご主人様。留美様が戻ってくるまで、ここでお待ちいたしましょう。」

加奈が次の指示を出す。

「うん。わかった。・・・あ、そうだ!」

すると狐太郎は何かを思いついたようだ。



「・・・はい!」

「・・・? ご主人様?」

狐太郎はさっき作った人形を加奈に掲げる。

そして

「これ、加奈にあげる!」

「えっ?!」

「・・・まぁ」

狐太郎の発言に加奈だけではなく琴音も驚く。

「よ、よよ・・・よろしいのですか?」

驚きのあまり上手く喋れない加奈。しかし

「うん!大事にしてね?」

狐太郎はなおも加奈に人形を掲げる。

「ああぁ・・・ありがとうございます!!もちろん大切に致します!!」

加奈はあまりの嬉しさに涙すら流しながら

「あふぅぅ〜〜〜♪」

狐太郎から貰った狐太郎そっくりの人形を思いっきり抱きしめる。

「・・・では、私は裁縫道具を片付けてきますね。」

少し悔しそうな顔をした琴音は裁縫道具を片付けに行く。



SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す