先祖がえり 129
すると
「・・・ンクッ・・・チュッパ・・・んぇ?」
狐太郎が加奈の母乳を吸い終わり、上を見上げる。
そこには
「ふふふっ・・・おはよう、コタちゃん。」
「おはようございます。ご主人様。美味しかったですか?」
「おはようございます・・・ふふっ、狐太郎様、一生懸命でした♪」
見知った顔が3人、自分を見つめていた。
「え・・・あ、う、あ・・・・」
すると狐太郎はみるみる顔を赤く染めていき
「・・・きゃう!」
ガバッと布団の中に隠れてしまった。
どうやら恥ずかしかったのか、布団の上からでもプルプル震えているのが分かる。
「あらあら・・・♪」
「まぁ・・・」
「ふふふっ・・・♪」
3人はその反応の愛らしさに微笑み、狐太郎が出てくるのを待つ。
そして
「・・・あう・・・見てたの?」
頭だけ布団から出した狐太郎は不安そうに3人を見回した。
3人はそれぞれ顔を見合わせ
「・・・ええ。」
「可愛かったです・・・」
「・・・本当に・・・ふふっ、必死で♪」
狐太郎の質問に肯定すると
「あうぅ〜〜〜!!」
狐太郎はまた顔を赤く染め
「・・・・・!!」
無言で加奈の胸の中に顔をうずめた。
「あらあら・・・加奈ちゃん?」
「はい・・・ご主人様・・・♪」
留美に指示された加奈は、そのまま狐太郎を優しく抱きしめてやった。
3人の顔はずっと優しいままだった。
「・・・申し訳ないんだけど、コタちゃんの事、しばらく見ててくれるかしら?」
食堂にやって来た4人はすでに集まっていたメイド達に挨拶を済ませ、お願いをしに来ていた。
「えっ?!よ、よろしいのですかっ?!」
一歩ずいっと寄ってくる真由。その目はキラキラと輝いている。
後ろの千恵や亜紀、静香も同様に、今か今かとソワソワしている。
「ええ・・・15・・・いや、10分で戻ってくるから。頼めるかしら?」
「は、はいっ!!もちろんですっ!!お任せください!!」
真由はブンブンと頭を縦に振ると狐太郎に向かって両手を差し出す。
それほど背は高くない(と言っても平均はある)真由だが、狐太郎があまりに小柄なため、真由でも抱っこが出来るぐらいである。
「・・・それじゃあよろしくね?いいこと?くれぐれも気をつけて・・・」
そう言って狐太郎を真由に預ける留美。
「・・・? お姉ちゃんどこ行くの?」
狐太郎はどういうことか分からないと言った様子だが、素直に真由に抱かれる。
「お姉ちゃん達はちょっと用事があるの。すぐ戻ってくるからちょっと待っててね?」
留美は中腰になって狐太郎と目線を合わせると、狐太郎の頭を撫でて
「・・・じゃあ、行くわよ?」
「はい・・・」
「かしこまりました・・・」
加奈と美咲を連れて食堂を後にする。
3人の姿が見えなくなった瞬間
「ま、真由様っ!!ずるいです!!」
亜紀が
「私にも狐太郎様を抱っこさせてください!!」
千恵が
「・・・・・・さぁ」
静香が一斉に近寄ってくる。
「えっ?えっ?!」
突然のことに戸惑う狐太郎。耳も不安でピクピク震えている。
それを見た真由は
「ちょっと待ってください!!・・・狐太郎様が・・・」
狐太郎の様子を3人に伝える。
「あ・・・」
「も、申し訳ありません!!」
「・・・・・・あう・・・」
すると3人は落ちついて狐太郎の事を見つめだす。
(・・・こうしてみると、やっぱり可愛らしい・・・)
(うわ・・・肌もスベスベ・・・)
(・・・・・・・・素敵///)
3人がそれぞれの妄想をふくらませていると
「・・・真由、ちょっといい?」
視線がくすぐったかったのか、狐太郎は真由のもとから離れ
「・・・静香っ」
近くにいた静かに手を伸ばす。
「・・・・!! い、いいのですか・・・?」
驚いた静香は狐太郎に聞き返すが
「うん!!」
狐太郎はそのまま静香の腰元に抱きついた。
「・・・・・・・あう///」
途端に顔を真っ赤にする静香。そして
「・・・っしょ」
そのまま狐太郎を抱き上げる。
「・・・ふむ・・・」
狐太郎はそのまま品定めをするかのように鼻を鳴らす。