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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 127

しかし

「あう・・・お姉ちゃん・・・」

「・・・? どうしたの?」

動こうとしない狐太郎に首を傾げる留美。

「・・・加奈が・・・放してくれないの・・・」

「なっ!!」

狐太郎は「動かない」のではなく「動けない」でいたようだ。

よく見ると狐太郎が動こうとするたび

「・・・んん〜・・・ご主人しゃまぁ〜・・・」

加奈は眉を寄せて「行っちゃダメ」とばかりに抱きしめている。

「うぬぬぬぬ〜〜・・・」

留美はどうしたもんかと唸っていた。狐太郎の身体の心配だけでは無い。

加奈に対する「なんと羨ましいことを!!」という嫉妬の念も込められていた。


すると

「・・・ん、んぇ〜?」

留美の背後で声がする。

「・・・あら、美咲ちゃん。起きたの?」

「・・・ん・・・る、留美様ぁ?」

美咲は目をこすりながら起き上がると

「・・・狐太郎様・・・はっ!!」

狐太郎の居場所をキョロキョロと探した後、ある一点で目が止まる。

「・・・る、留美様・・・これは・・・」

「ええ・・・加奈ちゃんが一人占めしてるの・・・」

加奈はもう誰にも渡さないとばかりに狐太郎を抱きしめている。


その時

「・・・クシュンッ!!」

「「!!!!」」

狐太郎がくしゃみを一つした。

その瞬間

「ちょ、ちょっと加奈ちゃん!!起きなさい!!」

「加奈様っ!!目を覚まして下さい!!」

慌てて留美と美咲の二人は加奈を起こそうとする。

すると

「・・・んへぇ〜? あ、留美様・・・と、美咲さん・・・」

やっと目を覚ました加奈は二人の姿を認める。

しかし

「あ、留美様・・・じゃないわ!!コタちゃんの状態を見てみなさい!!」

起きぬけに留美は怒ってくる。

自分が何かしたかと見下ろしてみると・・・


「・・・ックシュン!!」

そこにはもう一つくしゃみをした裸の狐太郎の姿があった。

「えぇっ?!」

驚く加奈。留美は急いで事情を話す。

「あなたが寝ぼけていつまでもコタちゃんを離さないから・・・とにかくコタちゃんをこっちに!!早く!!風邪引いちゃうわ!!」

「あ、は、はいっ!!」

加奈は慌てて狐太郎への拘束を解き、留美に預ける。

「ああっ・・・コタちゃん・・・大丈夫?寒くない?」

留美は狐太郎をしっかりと抱きしめ、布団の中に入れてやる。

「あうぅ・・・お姉ちゃん・・・」

やはり少し寒いのか、留美に抱きついて暖を取ろうとする狐太郎。

「ほらっ!!あなた達も急いでコタちゃんを温めて!!」

「は、はいっ!!」

「かしこまりましたっ!!」

留美は加奈と美咲に指示をだすと、3人で狐太郎を温めてやる。

「・・・コタちゃん・・・大丈夫?」

「ご主人様・・・」

「どこか寒いところは・・・?」

3人共子を思う母親の顔である。


そうしてしばらくすると

「・・・はふぅ・・・」

震えていた狐太郎がその身体の緊張を解いた。

どうやら危機は去ったようだ。

「ああ・・・よかった・・・」

涙目で呟く留美。そしてそのまま加奈の方をキッと見ると

「・・・加奈ちゃん・・・」

「は、はいぃ・・・」

彼女の失態を咎めるべく声を出す。

「・・・どういうつもり。コタちゃんが風邪引いても良いって言うの?!」

「い、いえっ!!そのようなことは!!」

「じゃあどうしてこんなことになるのよっ!!」

留美は狐太郎を思うあまりついつい語気が強くなる。

「あ、あの・・・留美様・・・」

美咲が仲裁に入ろうとするが

「なにっ?!」

「ひぅっ!! な、なんでもありません・・・」

留美の勢いに押されて何も言えなくなってしまう。


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