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先祖がえり
官能リレー小説 - ハーレム

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先祖がえり 105

二人は目を合わせると

「・・・美咲ちゃん。」

「はい、留美様。」

一斉に布団に入り

―――――――――ギュッ

―――――――――ヒシッ

左右から狐太郎を挟みこんで抱きしめる。

「・・・留美様・・・美咲さん・・・」

加奈は自分に対抗するかのような目線を向けてくる二人に応戦する形で先ほどより強く狐太郎を抱きしめる。

「・・・加奈ちゃん一人だけにコタちゃんは渡さないわ。」

「・・・私も狐太郎様を抱っこして寝たいですっ。」

ベットの中で静かに狐太郎の奪い合いが始まる。

「・・・留美様、美咲さん・・・そこまで抱きついてはご主人様が寝にくいのでは?」

「加奈ちゃんだって、そんなにおっぱいに押しつけたら息が出来ないわ?」

「・・・私にも、私にも狐太郎様を抱かせてくださいぃ〜」

それぞれが奪い合う中


「・・・ん、んん〜?・・・」

「「「!!!!」」」

またも狐太郎から声が上がる。

さすがに起こしてしまったか・・・緊張して息すら止めている3人。

しかし

「・・・んん〜・・・スゥ・・・」

またも狐太郎は眠りにつく。

3人はホッと息をつくと

「・・・今日のところは・・・」

「ええ。」

「・・・わかりました。」

一時休戦とすることにした。


こうして屋敷の夜は更けていった・・・




―――――――――翌朝

「・・・ん、んん・・・」

いつものごとく屋敷で一番最初に起きるのはメイド長、加奈である。

しかし今朝はその「いつも」とは違っていた。

「・・・? これは・・・」

いつもと違う景色にゆうべの事を思い出す加奈。

そして

「あ・・・そう言えば・・・ってことは」

昨日のことを思い出した加奈はゆっくりと目線を降ろす。

そこには

「ああ・・・ご、ご主人さまぁ〜・・・♪」

加奈が最も愛する人物が加奈の胸を枕にして眠っていた。

(今朝はなんて良い目覚めなの・・・ご主人様がこんなに近くに・・・はぅ、可愛らしい・・・)

一瞬にして眠りから覚醒した加奈。そのまま狐太郎の頭に手を置いて、狐太郎が起きないように撫でる。

その顔はまさに母親のようで、愛しい我が子を見つめているようである。


すると

「・・・んん・・・? あれ、加奈ちゃん?」

留美も目を覚ましたようだ。しかしまだ少し寝ぼけているようで、目の前になぜ加奈が居るのか分からない様子だ。

「・・・?どうして・・・」

「留美様・・・お静かにお願いします・・・ほら、ご覧ください・・・」

加奈は失礼ながらも留美の話を遮って静かにするよう頼む。その代わりと言ってはあれだが、狐太郎の方を示すと

「・・・あら・・・ふふふっ♪ 今日も恐ろしく可愛いわね、コタちゃん・・・♪」

狐太郎の姿を見て慈愛に満ちた微笑みを浮かべる留美。

「ええ・・・」

加奈は返事だけすると、狐太郎の方を向き直し、なおも頭を撫でる。


しばらくそうした後

「・・・美咲さん、美咲さん・・・」

加奈も美咲も狐太郎を起こしてはいけないので、動けないが、メイドたるもの早起きは基本である。

そう思った加奈は美咲を起こすことにした。

「・・・んぇ?加奈・・・しゃま〜?」

美咲は完全に寝ぼけた様子でムクリと起き上がろうとする。

「ちょっと、美咲さん。そのままそのまま。」

加奈は慌てて美咲に動かないよう言う。

「・・・?は、はい・・・あ、おはようございます、加奈様、留美様。でも、どうして・・・」

段々と覚醒してきた美咲は朝の挨拶を忘れていたことに気づき、慌てて挨拶をする。

そして辺りを見回すと・・・

「・・・あ、なるほど・・・」

どうして加奈が起き上がることを止めたのかを理解する。

「ふふっ・・・おはようございます、美咲さん。」

「おはよう、美咲ちゃん。どう?可愛いでしょ?」

二人は挨拶を返すと狐太郎の方を向き直る。

「はい・・・なんて、なんて可愛らしい・・・」

美咲も狐太郎を見つめ、視線が外れることがない。


こうして3人の朝は狐太郎が起きるまでこうして続くことになった。




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