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オッパイ・シティ
官能リレー小説 - ハーレム

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オッパイ・シティ 4

いきなりな満面の笑みで抱きついてきたのは、彼と同い年であろう美少女であった。
青色の長髪にニコニコと可愛らしい笑みを浮かべている綺麗で整った顔、抱きついた時に上半身を支配する大きくて柔らかい感触、そう胸である。
感触から推測するに、昼間の二人よりも大きいことは確実であった。
(うぉッ?!! 何だこの娘!? いきなり抱きついてくるしそれに・・・胸が昼間の二人よりも大きいだと!!?)
抱きつかれた弾みで、アスファルトを背に寝そべる誠人。その上では今だ嬉しそうに抱きついている美少女、青と白を基調とした制服を着ているのだが、首元の襟から豊満な胸の谷間がチラチラと見えてしまっている。
「ッ?!! お、おいッ! 退けって!」
そのことに気がついた誠人は、何振り構わず少女を払いのける。このままでは起きてはいけない所が起きて、誰とも知らない少女に「変態」と認識されかねないからであった。
新生活早々それだけは絶対に回避せねばならない、その一身での行動であった。

「きゃッ?! 痛ぁ〜い・・もう、何するの? 折角、幼馴染との再会なのにぃ〜!」
しかし、この行動は少女には不満らしくしきりにブーイングを飛ばしている。
「幼馴染? ん、マーちゃん? それにその目・・・あ、あぁッ?!! お、お前、もしかして・・・楓かぁ!?」
ブーイングを飛ばす少女をまじまじと見る誠人、ジト目で此方を見ているエメラルド色の瞳とが数秒合わさる。
すると、記憶の深海の中から浮上する一つの思い出が彼の脳裏を鋭く過ぎり、体をビクリと痙攣させた。
そして少女に人差し指を向け、驚愕の表情と口調で叫ぶ誠人。向けられた相手は、何処か満足げに微笑みを浮かべた。
「そうだよ。 小学3年までずっと一緒だった杉原 楓(すぎはら かえで)だよ♪ 10年ぶり・・・かな?」
夕焼けの中、一段と綺麗な笑みを浮かべ彼女 杉原 楓は嬉しそうに言った。


彼女とは家がお隣という関係で、両家の親とも仲が良く何時も一緒に遊び、風呂に入り、寝るのが当たり前だった。
父親が仕事で世界を回っていた事もあって、誠人の母親は仕事の合間だけ彼を隣の杉原家に良く預けていたのだ。
杉原家の両親は勿論、彼と同い年である楓はすごぶる喜び二人は半ば兄妹のように過ごしていた。
しかし、そんな幸せは小学三年生に上がると同時に突然として終わりを迎える。誠人の母が、多忙のあまり体を壊し入院、そしてそのまま帰らぬ人となったである。
葬式の時、母の祭壇を呆然として見つめる父の背中を彼はボンヤリとだが覚えていた。

葬式が終わった後、父親は真剣な表情と口調で幼い時の誠人にこう言ったのだ。

――俺と一緒に世界を回ってみないか?

その当時、母を失ったショックで絶望の淵にいた誠人は無意識のまま父の言葉に無言で頷いたのが事の真相である。

「久しぶりだね、マーちゃん♪ イヤ、今は成長したからマー君かな?」
「おいおい・・・その呼び方はやめてくれ。 もう17で高2だぞ?」
嬉しそうな口調で茶化す楓を誠人をしかめっ面で言い返す。
10年の空白があった二人。しかし、その会話にぎこちなさは感じられない。
「高2だろうと何だろうと、マー君はマー君だよ♪ ねぇ、マー君は何でこの街に来たの?」
「あぁ、今日からって言うか・・・明日から俺もここ住むことにあったんだよ。 午前中に住民票も貰ったし、後は街の散策のためにブラブラ散歩さ」
久しぶりの会話が嬉しいのか、楓はワクワクした表情と口調で聞いてくる。
誠人は、そんな彼女になんでもない風に答える。昼間のあの事は彼女には秘密にしようと、密かにそう誓いながら。
「えっ!? そ、そうなんだ・・・ふぅ〜ん・・・あッ、もうこんな時間! それじゃまたねッ!」
「あ、おい! 行っちまった。 じゃあ、何でこっちに来たんだよ・・・」
突然顔を赤くしオロオロしだし、来た道を戻っていく楓。
そんな彼女を呼びとめようとするが本人は既に道の遙か先、右腕を伸ばしたまましばし突っ立っている誠人はポツリとそう呟いた。

《どうだ、誠人? 生まれた街には慣れたか? そこでやってけそうか?》
「父さん、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。 街はある程度把握したからオッケー。 それに、もう17だぜ? いい加減、親離れしてもおかしく無いでしょ」
アパートの一室、そこで彼は携帯の向こう側で心配しているであろう人物と会話をしている。相手はもちろん自分の父親でもある綾瀬 匠(あやせ たくみ)だ。
楓との再会から30分後、ようやく新居に着いた彼はソファーに身を預けながら携帯で父に連絡を入れることにした。
だが予想通りと言った所か、父は世話しなく聞いてくる。そんな携帯の向こう側にいる相手に苦笑を隠しきれない誠人は、クスッと笑ってしまう。

《笑い事じゃないだろうに・・・。 まぁいい、やっていけそうなんだな? だったら誠人、お前はソコに残れ》
「へ?」
呆れた声が聞こえてきたが、次の言葉に誠人は素っ頓狂な声を上げてしまった。

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