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続・花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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続・花嫁サークル!! 37

 卵形の輪郭の中に、小さいながらもぷっくりと健康的な唇と筋の通った鼻、大きな瞳や細い眉などが絶妙なバランスで定位置に収まっている。
 可愛らしい小顔だ。
 頬も柔らかそうで健康的。
 セミロングの髪は金髪で、躍動感溢れる緩いパーマがあてられていた。
 背丈は悠と変わらないくらいだろうか。 肉付きも悪くなく、ショートパンツから伸びた足はどこを摘んでも柔らかそうであり、しかしピチピチした張りも感じられる。
 バッサリ開いた襟元から左の白い肩が覗き、見せブラと呼ばれる肩紐が見え、鎖骨から少し視線を下ろせば手にすっぽり収まりそうな胸が見受けられた。

「何で望(のぞみ)が降りてくるの……」

 奥さんは呆れ気味に言いながら菓子折りをテーブルに置いた。

「だってカテキョでしょ? 家に出入りするわけだし、どんな人か気になるじゃん」

 言いつつ、望は冷蔵庫を漁り始める。

「全くもう……あの子は姉の望です。そう言えば、久遠君と同い歳じゃなかったかしら……」

 と奥さんが首を傾げたと同時に、望より幼さを感じる少女がリビングへ入ってきた。

「あっ、こっちが勉強を見てもらう妹の明です」

 こっちですよーと主張するように横から明の肩を抱く奥さん。

「城田明です。よろしくお願いします」

 明はぺこりと頭を下げ、奥さんに誘導されながら椅子に掛けた。

「えっと、希望は水曜と土曜できいてるけど、もし用事とかで都合が悪い日があったら早めに連絡してくれるかな?」

「はい」

 セミロングの黒い髪を揺らしながら明はコクリと頷いた。
 そんな遣り取りをしてる横から望が母親に

「あたし今日合コンだからさー、晩ご飯要らないし」

とか言っている。
 そして頭を叩かれていた。

「じゃあ早速来週から。よろしくね」

「はいっ。よろしくお願いします」

 丁寧に応答する明と、全くマイペースな望を見て、悠は苦笑いを堪えるのに必死だった。

「ねぇねぇカテキョさんっ。今日の私イケてる? 食べちゃおうとか思う? 涎出ちゃう?」

 タイミングを見計らったように望がセクシーポーズ(?)をとりながら悠に問い掛けた。

「……可愛いとは思うけど、ちょっと寒いかもしれないな。上に何か羽織った方がいい」

「え、何そのフツーの感想……」

 望はがっくり肩を落とす。
 どんな感想を求めていたのだろう……。

「じゃあ、これで……」

 悠が席を立ち、奥さんと明は玄関まで見送りに出る。
 望は

「着替えよっかな……」

と呟いて、スポーツドリンクの小ペットを手に階段を上がっていった。
 その頃……。

「割と楽しみにしてんだから、がっかりさせないでね」

「私もです。よろしくお願い致します」

 そして二人は握手を解いた。
 この日、愛と純華のサークルが交流試合を行うことになっていたのだ。
 二人が入っているサークルは半ば遊び感覚で参加する者が多く、他サークルとの交流試合等は頻繁にはない。
 大抵内々で楽しんで終わりというのが多いのだ。
 愛は当初そんな緩い活動に呆れていたが、今の生(性)活を考えると丁度いいという結論に至っている。
 実際部活となると平日はみっちり練習があって、土日にバイトを回さなければならない。
 悠やカノトモと戯れる時間が確保出来ないのである。
 コート端へ移動を終えたのを見計らい、純華はテニスボールを高々と放り投げる。
 そして、ラケットを振り抜いた。
 愛は球の軌道の先を読み、走り出す。
 しかし一度接地したボールは

「っ!?」

全く見当違いの方向へ跳ねたのだった。
 こうして純華のサービスが決まった。

「悠さん直伝のトルネードサーブ……返せますか?」

 トルネードサーブとは、球を放り投げる時に回転を付け、ラケットでその回転にスピードを加えながら勢いを負荷させる悠の必殺技。
 スピン状態に近いボールは地面に付くと逆回転の抵抗が掛かり、飛んでいた方向とは逆方向へ跳ねるのである。
 しかしスピンが強すぎると真上に跳ね上がったり、変にカーブが掛かってラインを越えたりと、なかなかコントロールが難しいのだ。
 悠はカーブ回転しか掛けられなかったが、高校でも大学でもスキルを磨いた純華はスクリューやドライブの回転などを操るまでに至っている。
 ただこの技はサーブでしか使えない。
 打ち返すときは体を動かしながらというのが多いので、回転を掛けるということに気を回せないのだ。

「くっ……」

 トルネードサーブと言われても仕組みが解らなければ攻略するのは難しい。
 愛は思わず歯を食い縛っていた。
 その頃、また別の場所では

「やっぱり魔法は最強だよっ」

理央が瞳を輝かせていた。

「なのです! 萌えは世界を救うのです!」

 里奈は同志よ! と言わんばかりに理央と両手を取った。

「どうしたら魔法が萌に繋がるのかな……」

 美鈴は理解し合っている二人を見て当たり障りのない笑顔を浮かべていた。

「はっ! そうなのでした……」

 唐突に里奈が声を上げたかと思うと、クローゼットを開けて衣服の群れを漁り始めた。
 暫くして、不思議そうに顔を見合わせる美鈴と理央のもとに、一着の服を持った里奈が戻ってくる。

「先週作ったのをすっかり忘れていたのですー」

「おおっ! そ、それはっ、もしかして……」

 理央は里奈に飛び付いた。
 里奈が持っているのは「超絶魔法戦士リンカ〜スペシャルマジック〜」のヒロインリンカが「リミットブレイク」して「ハピネスリンカ」になった時に着用している衣装だったのだ!
 ……簡単に言えば、ノースリーブの白いイブニングドレスの胸元にピンクの大きなリボンが飾られたコスチュームである。
 前に黄色い大きなボタンが五つほど付いていて、ニーハイソックスにも同じ色合いの小さなリボンが装飾されている。
 実際は肘まで覆う白い手袋と、黄色を基調にしたヒールのある膝下までのロングブーツも必要なのだが、里奈が手にしているのは服とソックスの二点のみだった。

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