続・花嫁サークル!! 25
そこで、タイミング良くタイマーがタイムリミットを知らせた。
このタイマーは入浴を楽しみすぎないように用いられる。
どちらのコースも三十分がリミットで、その後は素早く洗い残した箇所を清めたり、彼女たち自身が入浴する時間となるのだ。
悠は担当者の拘束を解いていき、
「気持ち良かったよ」
と声を掛けていく。
最初に自由を得た小春は、
「お掃除がまだみたい……」
と膝を付き直して愚息をくわえ込む。
担当者が拘束を解かれに来る中、丁寧に残滓を啜り上げていった。
「ご飯出来たよー」
「「はーい」」
まどかだろうか。
夕食の呼び掛けに答えた彼女たちは、
「先に食べといて」
と悠に言付けをし、スクール水着を脱いでいった。
「一応言っとくよ」
彼は浴室を後にする。
一応と付けたのは、恐らく彼女たちの入浴が終わるまで待っているだろうからだ。
夕食は貴重なコミュニケーションをとれる時間帯なので、重要視されている。
悠とコミュニケーションを取ってもカノトモ間で軋轢が生まれれば、この生活は成り立たない。
従って、彼女たちは彼女たちの間でもなるべく関わり合う時間を持とうと努めているのだ。
余談だが、玄関にはホワイトボードがあり、学校以外の出掛ける際には行き先を買いたり、夕食が必要ないかどうかなどを記す決まりになっている。
さて、ここでお金に関する仕組みを説明しよう。
食費は悠以外の者が共同予算に一定額を出している。
そのお金で買い出しが行われる。
光熱費は悠以外の者が合算したものを頭割りして支払っていた。
交際費や自分の物を買う場合は当然、悠を含め各々の負担となる。
何故彼がこんなに優遇されているのか……理由は、デートにある。
デートは全て悠の負担だ。
しかも、使用する上限額は皆一緒にしなければならない。
それを越せば割り勘となる。
しかし、無理に上限一杯を使う必要もない。
要は質……内容が重要なのだ。
そして不定期な出費が、誕生日プレゼントであった。
誕生日プレゼントはカノトモ全員から一つ、そして悠から一つ用意される。
カノトモは頭割りできるが、悠はたまったものではない。
しかし彼は恋人……それを呑まなければ、このハーレムの主は務まらないのだ。
そして彼の誕生日の時はカノトモ全員からの一つに加えて、性奴隷としての彼女たち一人につき一つずつ用意される。
それが「専用アイテム」なのだ。
従って、悠と同じ誕生日の夕貴とルナも、性奴隷としてのプレゼントを一つ用意すのである。
更に「専用」というだけあって、送られたアイテムは基本的に送った本人にしか使用されない。
彼女たちは各々で興味のあるアイテムを用意するので、必ずしも他のカノトモにも有効とは限らないのだ。
しかし、バイブやローターなどオーソドックスなものは、タイプは違えど一人ひとり専用がある程被るのだった。
しかも、彼の部屋にはアタッシュケースが、なんと十七個あるのである。
その数が示唆するように、アタッシュケースには一つ一つ名前が書かれた紙が貼ってあり、名前に呼応した専用アイテムが仕舞われているのだった。
流石の彼でも一度に十七個もアイテムが増えれば誰がどれなのか混乱するのは当然である。
逆に、パドルのような「共通のアイテム」はいつ用意するかなどは決まっておらず、何気ない雑談の中や誰かの思い付きで、多数が興味を持てば自然に増えていくのだった。
「じゃあ、一発ヌく?」
言付けを聞いた結衣が携帯に向けていた視線を悠へ向けた。
「ヌ、ヌくって……」
「解り辛かった?」
「そ、そうじゃないけど、寧ろドストレートっていうか……」
千秋はあたふたしながら、顔を赤らめるのだった。
「どうする? ゆっくん」
ルナはその気らしい。
純華が達した後、股座に美鈴と里奈を追加した彼に、尻を差し出していたうちの一人である彼女は指でしっかり可愛がられた。
しかし挿入にはありつけず、悠の手強さに嬌声を上げていたのだった。
ルナ限らず、三人を股座に控えさせた彼が一発出すまでに、皆三回は彼の指に絶頂を与えられている。
里奈は人数が増えると逆にテクニックを封印させられてしまうのである。
三人で一本を分け合ってあっているのにいつまでも喉奥に納めているわけにはいかないのだ。
それ故に、お強請り群をそれだけ導くことを可能にしてしまったのである。
しかし誰も肉杭の挿入はされなかったのだ。
「にゃー……なんてね」
夏希は……どっちか解らない。
「ダーリ〜ンっ、いいんでしょ〜?」
「ってー、あっちゃんは一杯飲ませてもらったじゃんっ」
猫なで声の愛に冬香の突っ込みが飛ぶ。
「あ、そう言えばゆっくん、紗耶の誕生日プレゼント何か決めた?」
興奮が冷める方向へ流れた空気に便乗し、夕貴が思いっきり話題転換を試みる。
「まだ聞いてなかったの!?」
「学校行くときに訊くって言ってなかったっけ?」
まどかと花音が意外そうに声を上げる。
「あ……ちょっと、色々あって……」
「こいつ発情してたんだよ゛っ!」
しばしの間、悠は後頭部に飛んだグーパンチに悶絶する事になった。
「そんで? 何にするつもり?」
美穂が先を促す。
「あっ、あぁ、耐熱皿」
「「耐熱皿!?」」
「え? ダメ?」
「誕生日プレゼントに耐熱皿ってどういう神経してんの!?」
頬杖を付き直した千秋が呆れたと言わんばかりの大きな息を吐く。
「どうして?」
結衣は興味深そうに首を傾げた。
彼女の中で二つの線が結べないらしい。
「あいつ料理上手いし、作れるものの幅が広がるかなー……と……」
「確かに料理は上手だと思うけど……」
そう呟く志穂のみならず、誕生日プレゼントにチョイスするには推しが弱いらしい。
「あいつは……」
悠の声色が低くなった。