欲望の果てに何を見る 7
「オヤジの知恵を拝借するか…」
肉体的にアプローチし、和子のように従順にすれば、俺から離れることはないだろう。
事業を起こすと言っても、100パーセントうまく行く保証はない。
長田姉妹がそれに気づく前に………。
俺は彼女たちを堕とすための淫らな計画を練り始めた。
「いいですか?」
和子は腕を組んで、女教師のように振る舞う。
「一番大事なのは、クライアントが何を求めてるかを見抜くことです」
「は、はい」
蘭は思わず圧倒され、お茶で喉を潤した。
「そして次に、こちらのメリットとデメリットを計りにかけて話を進める、これが交渉の基本です」
端から見ている俺ですら、和子の気迫に冷や汗が滲み出そうだ。
蘭は今、ビジネス交渉の心得として和子の講義を受けている。
もちろん、俺が仕組んだことだが………。
凜は授業が夕方までビッシリらしいので、それまで帰ってくる心配はない。
「それでは、悠さんが今何を求めているかわかりますか?」
既に動き出しているのだ。蘭が堕ちていくシナリオが………。
俺は座ったまま足を前に出すだけでいい。それで何を求めているか、和子にはそれが理解できる。
しかし蘭がわかるはずもない。彼女にとっては思いがけない要求のサインなのだから。
「わからない?」
「え?」
蘭から見れば俺の右足が少し前に出ただけのこと。そこに隠された意図を読むなど、容易にできるはずがない。
「よく見ときなさい」
和子は四つん這いになり、俺の前に進み出る。
俺は悠然と和子を見下ろしながら右足を軽く浮かし、親指の付け根を顎の下へ滑り込ませた。
「ほら」
俺に促され、和子は足の親指をくわえ込んだ。
お尻をクネクネさせながら足指を滑るように舐め回す和子の顔は、みるみるうちにピンクへ紅潮していく。