欲望の果てに何を見る 6
「入社試験時、社長は時間を惜しんでまでも必ず面接は本人が行っていました」
念を押すように、和子が付け加える。
「しかし、まさか亡くなっていたなんて…」
「え?!」
俺と和子は、声をあげた。
「知らなかったと…?」
「え?は、はい」
よく考えてみればそうだ。オヤジの死を知っていれば凛に連れられて怒鳴り込みに来ることもなかっただろう。
「退職の話をされたときに言われたんです。『社長の決定だ』と」
「だからここに来たの。ガツンと言わないと気が済まなくて…」
凛が付け加えた。
からくりはこうだ。
オヤジの死は社内で一部の人物しか知らず、恐らく幹部と秘書課の人間だけだ。
だから一般社員は「社長」が未だに俺のオヤジだと思っている。
社員にとって嫌なことも、「社長の決定」と言えば架空の社長に恨みを抱くという魂胆だ。
「ふざけるなっ!」
強く握りしめた俺の拳はふるふると震えていた。
「奴ら、何て汚い真似を…」
オヤジをそれなりに尊敬していた俺は、怒りにまかせて喚き散らした。
しかし、どうすることもできない。会社の全権利は俺には一切残っていないのだ。
「潰しましょう」
和子が俺に語りかける。
「潰す?」
「そうです!会社を起こし、潰すんです」
「でも、オヤジの会社を潰すなんて………」
「いえ、悠さんに潰されるなら本望でしょう。むしろこの状況、潰すことを願われているかもしれません」
和子が強く背中を押す。
「あなたにはあの方の血が流れてるんですよ?」
「………………」
こうして俺の意志は固まった。
オヤジの会社、いや、元オヤジの会社を潰す決意が。
和子はもちろん、蘭と凛の協力も得られた。
これが俺の本当のスタートだ。
長田蘭、21歳。長田凛の双子の姉である。
身長160cm、バストDカップ、尻は形も大きさも和子に負けず劣らずといった感じだ。
大学を中退し、受け付け嬢として就職するもリストラに合う。
再就職先は悠らの会社(まだない)に決定している。今は独学で主に経済を勉強している。
長田凛、21歳。長田蘭の双子の妹である。
身長158cm、バストFカップ。尻は蘭より一回り大きいが形は悪くない。
蘭のリストラを根に持ち、悠らの会社(まだない)に就職することを強引に約束している。
現代社会学部現代社会学科で主にPCメディアを専攻している。
長田姉妹は強力な戦力に成り得る存在であった。
この二人を、気が変わらないうちに俺の手足として使えるようにしなければならない。
そのためには………。