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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 95

 猿轡を外してあげると、彼女は涙して彼にしがみつく。
「うわぁああん、怖かった! 怖かったですぅ〜」
「ねえ純一、他の人は?」
「知らん。つか、コイツが居ればファルストニアは入れるし、後は必要ない」
 純一は耳を穿りながら適当に言う。
「だって、彼女達は僕と一緒にいたんだ。もしかしたら拷問されてるかもしれない……」
「だから知らん。つか、お前は勘違いしてるから教えてやるけどよ、俺はお前がファルストニアにその剣と一緒に来ればそれでいいんだ。そこまでが俺の仕事なんでね。あの女達のことまでは何も言われてない。殺してないだけありがたいと思えよ」
「お願いだよ、純一。他の四人も助けてくれないか? 君だけが頼りなんだ……」
 純一は耳カスをふっと拭きながら、友の言葉を聞き流す。
「だから知らんっての。というか、お前頭おかしいんじゃねーの? 俺さ、さっき話したよな? お前がやりまくった村が壊滅しそうだって……。そいつらのことをまったく考えないお前が、なんであのヘンタイ女戦士や売女とかだけ心配するの? 変じゃん。やり捨てるヤツと他を区別すんの? それって魔族よりタチ悪いぞ」
 眉を顰める純一は魔族としてというよりも同級生として友を咎める。
「それは……だって……」
「ま、俺もあんだけ殺してきたし? お前のこと言えねえわな……」
「……」
 龍樹を助けるために彼は衛兵たちを殺した。そして種大にも真っ赤な血飛沫がこびり付いている。それはつまり……。
「……なぁ、純一は何時からここに?」
 龍樹はこれ以上の問答も無意味と、他に気になっていたことを口にする。
「さあな。正確にはわからんけど、お前より大分前の時間に来たみたいだ。どうも俺らの世界の時系列とこの世界にやってくる頃にタイムラグがあるみたいだ。俺がお前見つけたのは、俺がすっかり魔族になってからのことだな。ま、不思議な世界に不思議な力で来ちまったんだ。若干の不思議に驚いていたらキリがねえよ」
「紅音は? 俺が居なくなったあと、どうなったんだ……?」

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