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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 86


それから四半刻(三十分)後、ライア、アナシア、サラ、ミーシャ、ヴァレリアの五人は、この国の支配者であるヴィルネ大公の居城の客間で寛いでいた。
「はぁ…スッゴい部屋ねぇ〜」
「この長椅子ひとつ取っても、私達が一生働いても買えないような代物ですね…」
ミーシャとアナシアは部屋の中を見渡して感嘆の声を上げている。部屋はいかにも貴族趣味的な装いで、壁面から天井、ドア、窓枠、調度品に至るまで全て金銀宝石による豪華な装飾が施されている。ただ、それらはいささか過剰装飾気味であり、お世辞にもセンスが良いとは言えなかった。
「まさに統治者が己の権勢を見せ付けたいがために造らせたような城だな…」
「うむ、全く悪趣味で落ち着かん。こんな所で日々暮らしていて平気なのはどういう神経の人間なのやら…」
サラとヴァレリアは既に辟易しているようだ。種族を問わず質素を好むエルフには、一分の隙間も無く装飾で埋め尽くされた生活空間というのは理解し難い物だった。
「でもこの長椅子フカフカで気持ち良いよ〜♪あぁ〜、これが王侯の暮らしってやつかぁ…」
そう言いながら先程アナシアとミーシャが「一生働いても買えない」と言った長椅子に遠慮も無く横たわるライア。だが、彼女の頭には先程から一抹の疑問があった。
「…しっかし、何でリュウジュだけ別室なんだろねぇ…」
そう、この部屋にリュウジュはいない。彼だけ別に離されてしまったのだ。
「確かに妙ですね…ただ夕食までの時間を過ごすだけの部屋を男女別にする意味が解りません。まして私達は共に旅をしているのですから…」
その点にはアナシアも同意する。
「そんなの決まってるじゃないの。あのディアナとかいうお姫様の仕業よ」
ミーシャが全ての事情を見抜いたかのように言った。
「どういう事だよ?」
「あなた達、気付いてなかった?あの姫様、いかにも興味津々って感じでジ〜っとリュウジュの股間を見つめてたのよ。あれは“牝”の目つきだったわ…」

その頃、一人別室に通されたリュウジュは、女達と同じく物珍しさから辺りをキョロキョロと見回して落ち着かない様子であった。
そこに、トントンというノックの音と「失礼いたします」との女性の声が聞こえた。
「どうぞ…」
そう言うとドアが開き、入って来たのはティーセットを持ったメイドだった。
(わぁ…本物のメイドさんだぁ…)
ア○バのメイド喫茶にいるお姉さんではない。本職である。リュウジュは奇妙な感動を持って彼女の動作の一つ一つを黙って眺めていた。
「どうぞ、お茶でございます」
「あ…どうも…」
テーブルの上に差し出されたティーカップを手に取り飲む。少しクセのある味で、不味いとも美味いとも言えない、何とも妙な味わいだった。
「お口に合いますかしら?」
「あ!お姫様」
これがこの世界の高級茶の味なのか…などとリュウジュが考えているとディアナ姫が姿を現した。
「では私はこれで…」
空気を読んだかのようにメイドが退室する。部屋の中でリュウジュとディアナ姫は二人っきりになった。
(ほ…本物のお姫様なんだよね…)
おとぎ話やファンタジーなどでお馴染みの“お姫様”。そんな人がこうして目の前にいる事にリュウジュは自分が異世界にいるのだという事を改めて認識させられた。
綺麗なロングストレートの髪、碧色の瞳、白い肌、頭にはティアラ…ディアナ姫はいかにも清楚、可憐といった言葉が似合いそうな典型的なお姫様だ。
しかし次の瞬間そのお姫様の口から発せられたのは、リュウジュの予想だにしなかった言葉だった。
「あの…男性の性器って丈夫なんですね…」
「ブハッ!!…ゴッホ…ゴホッ!」
盛大に茶を噴いて咽せるリュウジュ。まさかいきなり下(シモ)の話題が来るとは思わなかった。

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