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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 84

「お待ちなさい!!!」
その時、凛とした綺麗な声が辺りに響いた。
リュウジュ達も兵士達もそちらを振り向く。
そこには装飾が施された一台の馬車が停まっていた。
扉が開いて中から美しい娘が姿を現した。
新緑色の豪奢なドレスを着ており、頭には高貴な身分である事を示すティアラが輝いている。
「ディ・・・ディアナ姫様ぁ?!」
彼女の正体に気づいた兵士の1人が叫んだ。
「「ええっ?!」」
他の兵士達も驚く。
「お・・・お姫様?!」
驚いたのはリュウジュ達も同じだ。
だが、そのお姫様からはすでに怒りのオーラが立ち昇っていた。
「お前達は一体何をしているのですか?!説明なさい!」
問い詰められた兵士達は答えに難渋しながらも何とか口を開いた。
「一応・・・身元を検分していたのですが・・・」
だがディアナはさらに怒りを掻き立てられたようだ。
「身元改めに服を全て脱がせる必要がありますか?!よりにもよって女性を裸にさせるなんて・・・恥を知りなさい!!」
姫の怒りの言葉に兵士達は完全に動揺している。
「旅のお方、我が国の兵達が大変無礼な真似をして申し訳ありません。この通り、お詫びいたします」
 そう言うとディアナ姫はリュウジュたちに頭を下げた。
「あ…頭をあげて下さい、お姫様!」
 慌てるリュウジュ。
「一国の姫様が頭を下げられては、私たちも武器を収めるしかあるまい」
 剣を鞘にしまうヴァレリア。剣は一瞬にして杖に戻る。
「まあね。姫様が相手じゃあ…ね」
 ライアも構えを解く。
「わ…私も…少し取り乱していたようです」
 一時の興奮も収まり、落ち着きを取り戻したアナシア。
「お…お待ち下さい、ディアナ姫様。も…元はと言えば、その者たちが我々に抵抗したのがいけないのでございます。その者たちは禁止品だって持っています。我々はそれを取り締まろうとしただけでございます。それの何がいけないのでございますか?」
 苦し紛れの言い訳をする兵士。
 自分達に非はない。非があるのはリュウジュたちだと言わんばかりである。
「……いい加減にしろ、お前たち。一体どれだけ自分の仕える主君の顔に泥を塗れば気が済むのだ?」
 ヴァレリアの声がいつになく低い。間違いなく彼女は怒っている。
「武器交換(ウェポン・チェンジ)!」
 ヴァレリアは魔法を唱え、いつもの杖が一瞬にして違う杖に変わる。
 見るからに細長い杖である。明らかに普通の杖ではない。
(仕込み杖だ…!)
 リュウジュは気付いた。
 ヴァレリアは杖から刀を抜くと、逆手持ちのまま兵士たちのふところに飛び込み、刀を閃かせた。
「お前たちは人を裸にさせたばかりか、神に仕える者に裸を強要し、仕えているはずの姫君の顔に泥を塗った!その報いだ。お前たちも、裸踊りをしてもらおうか!」
 リュウジュがいた国、日本古来の寸法で2尺5寸(76cm)の刀を、ヴァレリアは杖という鞘にしまう。
 その瞬間、兵士たちの槍は穂先が地面に落ち、剣は真っ二つに斬られていた。
 それだけではない。兵士たちの服がバラバラと地面に落ち、下着さえもなくなっていた。
 兵士たちの粗末なモノがブラブラと揺れている。
「あ…あ……うわあああっっ!!」
 裸となった兵士たちはクモの子を散らすように、職務そっちのけで逃げていく。
「我が国の兵ながら、なんと情けない……」
 ディアナ姫は空を見上げて嘆いた。

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