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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 78

「リュウジュか…助太刀、感謝するぞ。ところで今、ヤツがお前の事を“異界の光”とか呼んでいたが…」
「気にしないで!今はアイツを倒す事を考えよう」
「うむ、そうだな」
二人は剣を構えてヒルデに向き直る。
「あらあら〜、弱い奴が二人に増えた所で何も変わらないっていうのに…一体どうする気なのかしら?」
「弱いかどうかは、この剣を受けてみてから判断して欲しいね!」
リュウジュの持つ種大の刀身が光り輝き始める。
「ヴァレリアさん!僕の技は繰り出すまでに少し間がある上に、すばしっこいアイツには避けられてしまう可能性がある!アイツの相手をして、引き付けておいて欲しいんだ!」
「分かった!」
そう言うが早いか、ヴァレリアは地面を蹴ってヒルデに向かって駆け出した。
「無駄よ!!」
ヒルデのしなやかな指先の爪が鋭い剣のように伸びた。彼女は屋根の上から飛び降り、そのままヴァレリアに向かって五本の鋭爪を振り下ろした。
ガキィンッ!!!!
ヴァレリアはそれを先ほど彼女が杖から出した剣…フラガラックで受け止めた。

「はああぁぁぁ…っ!!!!」
種大の刀身はこれまでに無い輝きを放っている。リュウジュは今までの経験(と言ってもこの技を使った事はまだ二回しか無いのだが)から、どうやらこの技は彼自身に内在する“闘気”とでも呼ぶべきエネルギーを刀に送り込んで放っているらしい事を勘で理解していた。つまり、気を溜める時間が長ければ長いほど、打ち出す衝撃波の破壊力もデカいという訳である。

「なかなかやるじゃない…」
「…この程度で私を殺せると思ったか?このヒヨッコめ…」
カチカチと刃の鳴る音がする。ヒルデの斬撃を受け止めたヴァレリア、二人はそのまま互いの刃を離す事無く鍔迫り合いを続けている。
「…さすが、“元”魔王配下四天王が一人、アルバドス元帥の娘ね…。自身もまた魔王配下十二将に列せられてもおかしくないと言われた実力の持ち主、魔導師ヴァレリア…」
「…昔の話だ!」
ヴァレリアはヒルデを押し返す。次の瞬間、ヒルデは高く飛び上がり、数メートル先に着地した。
「…でも、魔法の存在しない異世界で過ごした40年間という年月は、あなたにとっては相当なブランクになってしまったようね…。確かにアルバドス元帥とその娘であるあなたを失った事は魔族全体にとっては大きな損失だったわ…。でも心配いらないわよ!私たち新たな世代が中心となって偉大なる魔王様の下、我ら魔族の500年来の悲願であるフィルガイア統一を成し遂げてみせるんだから!!」
「ベラベラと良く喋る小娘だ…二度と無駄口が叩けないよう永遠に黙らせてやる!!」
ヴァレリアはヒルデに向かって再びフラガラックを構える。
「せっかくフィルガイアに帰って来られたんだから、大人しく黙って歴史が変わるのを見ていれば良かったのに…自分から死にに来るなんてバカね!!」
ヒルデも五本の爪をヴァレリアに向けた。その時だ!
「ヴァレリアさん!避けて!!」
「な…っ!!?」
充電完了したリュウジュが、ありったけの力を込めて種大から光の斬撃を放ったのであった。
「よ…避けられるか…!!大地楯(アース・シールド)!!」
ヴァレリアが慌てて呪文を唱えると、彼女の前の大地が盛り上がり、たちまち防壁が出来上がった。いざという時のために一回分だけ魔力を残しておいたのだが、まさか味方からの攻撃を避けるのに使うとは、彼女自身も思いもよらなかった。
「ヒィ…ッ!!?」
ヒルデは防御魔法を張る間も無く(魔術の得意なダークエルフの血の混じったヴァレリアはともかく、純粋な魔族は元々魔術が得意な種族ではないのだ)全力で回避しようとしたが避け損なった。前回は翼の先を少し焦がされただけで済んだ彼女であったが、今回は右腕の肘から先を丸ごと消し飛ばされてしまった。

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