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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 77

 ヒルデだ。
 女ダークエルフはフゥッとため息をつき、ぽつりと嘆いた。
「まったく、嘆かわしい限りだ…。父のえん罪のとばっちりとはいえ、異世界に飛ばされ、40年かかってやっとこの世界に帰れたというのに…。誇り高き魔族はどこへ行ってしまったというのか…?」
 女ダークエルフは、手にしていた杖を、地面に水平にしてかまえた。
「我が意に応え、我が意に従え。全ての鎖を断ち切れ。フラガラックよ!」
 杖が光り、杖の中から、鞘に収まった剣が現れる。
 女ダークエルフは、フラガラックと呼んだ剣を鞘から抜いた。

 リュウジュたちの馬車が、村の入り口で止まっている。
 臨戦態勢のリュウジュたちが村の入り口から村の奥を見つめている。
「気配はこの先です!」
 身構えるアナシア。
「みんな、行くよ!」
 リュウジュは村の奥へ向かって走り出した。


村の中へと入った一行は、中央の広場のような所で、一人のダークエルフの女性が十数匹のトロル達に取り囲まれているのを見つけた。
「オーイ!!!!助太刀に来ましたよぉ!!!」
先頭を走っていたリュウジュはそう叫びながら刀を振りかざし、ダークエルフを包囲していたトロル達の一匹に向かって思いっきり振り下ろした。
「ウグオォォッ!!!?」
響き渡るトロルの悲鳴にダークエルフの女は驚いて背後を振り返った。リュウジュを先頭にライア、アナシア、サラ、ミーシャ、ルナマリア、アメリア、ミーアが各々の武器を構えて突っ込んで来る。屋根の上のヒルデはリュウジュの姿を見てニヤリと微笑みながら言った。
「ウフフ…来たわね、坊や…」
彼女の姿を見つけたリュウジュも驚いて叫んだ。
「お…お前は…!!?」
「久しぶりね、坊や。待ってたのよ…」
「…待ってた?」
「そう、あなたが本当に“異界の光”なのか確かめたくてね…」
「ま…まさか、そのためにこの村を襲ったのか…!?」
「そうよ。まぁ、意外な邪魔者が入って村人達の大半には逃げられちゃったけどねぇ…」
「ふざけるな!」
リュウジュが叫ぶ。
すると残っていたトロル達はリュウジュ達を敵として認識したようだ。
一部が彼らめがけて突っかかってくる。
「ライティング!」
アナシアが片手を掲げ、目眩ましの魔法でトロル達の目を潰した。
「ウゴオォッ!?」
視界を奪われて焦るトロル達。
そこへ剣士ミーアがトロルの1体めがけて突撃する。
「当家代々に伝わる剛剣“デュランダル”!受けよ!」
ミーアがロングソードで斬りこみ、鮮やかな腕前で一閃!
瞬時に首を飛ばされたトロルが、ズズンという重い音とともに倒れ伏す。
「受けなさい!ファイアボール!」
ルナマリアが右手を突き出し、火球の呪文を放った。
「ゲァアア!」
トロルの1体がこれをまともに浴び、全身が火だるまになって焼かれながら倒れた。

フィーーーッ!
戦闘のさなか、いきなりヒルデが笛を吹いた。

何と、周囲から次々とトロルが駆けつけてきた。
おそらくは村人を追撃していた連中だろう。
「何!?」
「なんて数なの!」
それまで順調にトロルを撃破していたリュウジュ達も驚いた。
異様な数のトロルが眼をぎらつかせて戦闘態勢で四囲からやってきたのだ。それは驚くだろう。
しかも珍しいことに、やってきたトロルの中には雌も十体以上混ざっていた。
トロルらしい巨躯だが、ムチッとしてなんだか色っぽい。
「大丈夫、ヒルデさえ倒せば後は烏合の衆だ!あなた達はトロルを食い止めて欲しい!」
ダークエルフが言った。
「よし!僕もあのダークエルフのお姉さんを手伝う!だからみんな、あいつらを頼んだよ!あと女トロルは殺さないでね!」
リュウジュは叫んだ。
「ところでお姉さん、名前は?」
「ヴァレリアだ。」
「僕はリュウジュ!」

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