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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 65

「あれ?ライアさん、アナシアさん、どこ行くの?」
こっそり宴席を抜けようとする二人にリュウジュが気付いて声をかけた。
「あ…リュウジュさん。ライアさんが何か話があるそうで…」
「あぁー!い…いやぁ、ちょっとツレションだよ!ツレション!」
ライアは慌ててアナシアの言葉を遮って誤魔化した。
「え?女の人同士で…?」
「そ…そうだよ!男だってするだろう!?女がして何が悪いんだよ!!」
「え?いやぁ…別に悪くは…」
変にムキになるライアにリュウジュは首を傾げる。
「そうだろう?女同士、積もる話もあるんだよ…という訳で行こうか」
そう言うとライアはアナシアの手を引いて宴席を後にした。

「リュウジュさんが異界の光ぃ?またまたライアさん、ご冗談を…」
事の次第を聞いたアナシアは信じられないといった口調でライアに言った。
「じょ…冗談なんかじゃないよ!あの魔族の女が去り際にそう吐いたんだ!!」
「ライアさん、それは有り得ません」
「どうして!?何か根拠でもあるってのかい?」
「伝承によると異界の光は魔王を倒すまで“清らかな身体”…つまり童貞だったそうです。そして戦いが終わった後、妻を娶り初めて女性を知りました。すると不思議な力は消えて無くなったと言います。つまり異界の光の力は童貞の時にしか使えないのです。リュウジュさんが童貞ですか?」
「…いや」
それは既に幾度もリュウジュと体を重ねたライア自身が最も良く知っている事だ。
「やっぱ考えすぎだったのかなぁ…?」
「そうですよ。ライアさんは普段あまり物事を深く考えないのに、時々思考が妙な方向に行ってしまう事があるようですからね。まぁ、たまには頭を使うのも悪くはありませんよ」
「あはははは…!!そうだよねぇ!よ〜し、飲み直しだぁ!あと今さり気なくバカにしただろ!罰として付き合ってもらうよ!」
「え!ちょ…ライアさぁん!?」
ライアはアナシアの法衣の後ろ襟を引っ付かんでズルズルと引きずりながら宴席へと戻って行った。

一方その頃、リュウジュもまた宴席を離れて一人、風に当たりながら森の中を歩いていた。
「ふぅ…」
着いた所は昨夜サラに連れられて来た大樹のある丘だった。樹の下に誰かが腰掛けている。
「やっぱりここにいたんだね」
「…リュウジュか」
それはサラだった。リュウジュは彼女の姿がいつの間にか宴席から消えているのに気付き、彼女を探してここまで来たのだ。
「隣、座っても良い?」
「ああ…」
リュウジュはサラの横に腰を下ろした。

「……」
少しの間、沈黙が訪れた。しかし、気まずい沈黙ではなかった。やがて口を開いたのはサラの方だった。
「…お前には礼を言わねばならんな」
「お礼?」
「…確かにお前の言うとおり、私は“誇り”の意味を履き違えていたようだ。“命を惜しまない事”と“命を捨てる事”とは違う。お前に殴られて目が覚めたよ」
「そんな…あ…あの時は僕もついカッとなって…ご…ごめんなさい」
「どうしてお前が謝る?面白いヤツだ…フフフ」
笑い出すサラ。リュウジュもポリポリと頭を掻きながら笑って言った。
「いやぁ〜、良く言われるんだ…アハハ」

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