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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 63

しかし、彼女の足は有り得ない方向に曲がっていた。
「今ノデ骨ヲ折ッタノカ…逃ゲルノニ足手マトイダ!殺ス!!」
するとトロルは右手に持った棍棒を振り上げ、彼女の頭を叩き潰そうとした。
「い…嫌ぁ〜っ!!?お…お願い!!!殺さないでぇ!!!?」
恐怖に身を引きつらせながら必死に懇願するエルフの女。その股間からはジョロジョロと黄色い液体が漏れる。
トロルは女の脳天目掛けて勢い良く棍棒を振り下ろそうとした。
ところが…
「グオォ〜〜ッ!!!?」
次の瞬間、トロルの右腕は一本の矢に貫かれていた。
「見つけたぞ…」
空になった弓に新しい矢をつがえながらサラが言った。
「我が同朋を辱めた事、とくと後悔させてやる!!!」
「ク…クソォ!!!えるふゴトキガ…!!!貴様等ハ大人シク我等ノ種ヲ注ガレテ、新タナ種族ヲ産ミ出スタメノ胎トナッテイレバ良イノダ!!」
「ト…トロルが喋った!!?」
ライアは驚いた。リュウジュはトロルを指差して叫ぶ。
「ライアさん!アイツの頭を見て!!」
「なるほど、突然変異ってやつか…偶然高い知能を持って産まれたアイツがトロル達を統率してたって訳だね?」
「突然変異ナドデハナイ!俺ハ元々普通ノとろるダッタ!ダガ“アノ方”ガ俺ヲコノヨウニ知恵ノアル存在ニ変エテクダサッタノダ!!」
「あの方…!?」
「貴様の身の上話などどうでも良い!!なぜ徒党を組み、我々エルフを襲った!!?」
再びサラの放った矢が、今度はトロルの左肩を貫いた。
「グアァ〜〜ッ!!?」
その衝撃でトロルは握っていた鎖を手離した。
「グフフ…ソレハナ、えるふノ女ニ我等ノ仔ヲ産マセルタメダ。俺ノヨウニ知能ヲ持ッタとろるガ産マレレバ、我ガ種族ハ更ニ繁栄スル…」
「……」
サラは黙って三本目の矢を放った。
それはトロルの右足に命中した。
「グオォッ!!!?」
「そのために我等が同朋を……分かった。もう充分だ。本来ならば更に苦痛を味あわせた上で殺してやりたい所だが、私にも情けはある。貴様のような畜生とて苦痛に呻く様を見れば哀れに思う。死ぬが良い!」
そう言うとサラはトロルの巨大な脳天目掛けて弓矢を構えた。
「ちょっと待ってよサラさん!!」
「そうだよ!こいつに知恵をつけたヤツを聞き出さないと…!!」
リュウジュとライアは慌ててサラを留めようとした。
その時である。
「あらあら…ダメじゃなぁい?せっかくこの私が魔術で知恵を与えてあげたのに、こんな簡単に追い詰められちゃうなんてぇ…」
どこからか、激しくこの場にそぐわない妙に甘ったるい声が聞こえてきた。
「あぁ!あそこ…!!」
最初に声の主を発見したのはリュウジュだった。
木の枝の上に一人の女が腰掛けて微笑んでいる。
黒い革製の水着のような服を着た美女だった。その胸元は白くふくよかな谷間を見せつけるかのように大きく開いている。
金色の髪は肩にかかる程度で外向きになびいており、瞳はエメラルドのような深い緑色。
しかし、それよりも三人の目を引いたのは、彼女の頭の山羊のようなニ本の角と、背中から生えたコウモリのような黒い翼だった。
「おい…冗談だろ!?何でこんな所に魔族が…?」
「え…魔族!?あの女の人が…?」
ライアの言葉にリュウジュは改めて女を見た。確かにあの角と翼はリュウジュの元居た世界でも言い伝えられている悪魔の特徴だ。
「あら、可愛い坊やねぇ…私好みだわ♪」
そう言うと女悪魔は木の枝から飛び降り、背中の翼を羽ばたかせて着地した。
「ひ…ひるで様ァ…!!!」
それを見たトロルは片足を引きずりながら彼女の元へ駆け寄って行った。
「オ…オ願イデス!!モット知力ヲクダサイ!!!奴等ニ勝ル知力ヲ…!!!!」
しかし次の瞬間、信じられない事が起きた。ヒルデと呼ばれた女悪魔が腕をひと払いしたと思うと、トロルの首がゴロリと地面に転がり落ちたのだ。
見ると、彼女の右手の五本の爪が長く鋭く伸び、その先端から血が滴っている。
「ど…どうしてトロルを!?仲間じゃないか!!?」
リュウジュは叫んだ。
「あらぁ、仲間なんかじゃないわ。ちょっと暇つぶしに知恵を与えてみただけよ。でももう充分楽しんだから用済みね♪」
「暇つぶし…だと?」
サラはうつむいて静かに呟いた。その目は良く見えないが、ワナワナと震える手足で相当怒っている事が判る。
「早まっちゃダメだよ!相手は魔族だ!!私達三人が束んなってかかったって叶う相手じゃない!!」
ライアの制止もサラの耳には届かない。
「外道が…っ!!!貴様には地獄すら生ぬるいっ!!!!」
そう叫ぶとサラは目にも止まらぬ早さで次々と矢をつがえ、ヒルデに向けて放った。

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