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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 60


「ここだな…」
目的の洞窟へと辿り着いた一行は、草むらに身を隠しながら様子をうかがった。
「突入して一気に片を付けよう…行くぞ!」
「ま…待って、サラさん!それはいくら何でも危険すぎるよ。罠があるかも知れないよ!?」
右手をかざして合図しようとするサラをリュウジュは引き止めた。
「何を言うリュウジュ!?トロルは図体が大きくて力も強いが低能だ。罠を張るなどという高度な真似はしない」
「でもライアさんが言ってたじゃない!普通、トロルは群れで行動する事は無いはずなのにコイツらはおかしいって!きっと何かあるよ」
「リュ…リュウジュの言う通りだ」
ライアは地面に突き立てた戦斧に体を持たせかけながら言った。彼女の隣には、同じく頭を押さえて辛そうにしているアナシアがいる。
「しかし同朋が捕らわれているのだ!一刻も早く救い出してやらねば…!!」
「わ…分かった。分かったから大声出すなって…」
「頭に響きますぅ…」
それだけでクラクラしてしまうライアとアナシア。
「な…情けない…。こんな連中の助けを借りねばならんとは…」
サラは溜め息混じりに嘆いた。
「しかしリュウジュ、いつまでもこうして身を隠している訳にもいくまい。何か策を練らねば…」
「任せて!僕に良いアイディアがあるんだ。ちょっと手間だけど…」
リュウジュは皆に作戦を聞かせた。エルフ達は顔を見合わせて話し合う。
「ふむ…悪くないな…」
「しかし、それだと捕らわれている同朋達まで…」
「いや、傷付く事は無いだろう。リュウジュの案でいこう!」
最終的にサラが決断を下し、皆は作戦を開始した。

リュウジュの考え出した作戦とは、トロル達が隠れている洞窟の前で焚火を起こし、洞窟内に大量の煙を充満させて、中のトロル達を燻り出して倒すという物であった。

小一時間後…
「かなり集まったな」
サラは集められた草木の山を見て半ば関心していた。
「さぁ、後はこれを洞窟の入り口で盛大に燃やせば…」
「まてリュウジュ、今の風向きでは焚き火をしても煙が洞窟の中に入って行かんぞ」
「え!?そんな…それじゃあ燻り出し作戦が出来ないじゃないか…」
「あの〜…私に任せてくれませんかぁ…?」
サラとリュウジュが困っていると、アナシアが頭を押さえながら弱々しく名乗り出た。
「実は私、目眩ましだけでなく、風を起こす魔法も使えるんです…護身用程度ですが…」
「何!?それは本当か!?」
「凄いよ!アナシアさん!!」
「うぅっ…お…大きな声は止めてください…お願いですから…」
「ご…ごめん…」
「頼り無いな…大丈夫なのか?」
リュウジュとサラは少し不安げだった。

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