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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 55

「エルフの年齢は外観では分からないんですよ。彼らは成人すると加齢が止まり、そのまま200年近く生きるそうです」
アナシアが耳元でそっと教えてくれた。
「えぇ!?じゃあ長老さんやサラさんも…?」
「うむ、私は今年で203歳になる」
長老はさらっと言ってのけた。
リュウジュは驚きを隠せないまま、サラの方を見た。
サラはコホンとせき払いを一つしてから言った。
「私は58だ」
「そ…そんな…こんな綺麗な人が定年間近のお婆ちゃんだなんて…」
「お…お婆ちゃんとは何だ!私はまだ現役の戦士なのだぞ!?」
「ハハハ…私から見ればまだまだヒヨッコだ」
年寄り呼ばわりされて少しムキになるサラに長老は笑って言った。
「…で、長老さんよ。私達に話ってのは何なんだい?」
話を戻すべく長老に尋ねるライア。
「うむ。頼みがあるのだ。君にだ」
長老はリュウジュを指差した。
「僕…ですか?」
「うむ、私ほど生きていると、側に居るだけでその者がどのような人物かが感覚的に判るようになる。君は普通の人間ではない。ただならぬ力、特別な力を秘めた人間だ」
「わ…判るんですか!?」
先ほどリュウジュ達が悪人でないと見破ったのも、どうやらハッタリではなさそうだ。
「ああ、そこを見込んで是非とも頼みたい事がある。まずは聞いてくれぬか」
リュウジュはコクリと頷いた。

長老の話によると、ひと月ほど前から里の近くにトロルが出没するようになったらしい。
噂によると、大規模なトロルの集団が存在しており、既に2〜3のエルフの集落が彼らによって壊滅させられたという。
「おかしいねぇ…トロルは普通、群れで行動する事は無いはずなんだけど…」
モンスター事情にも明るいライアが首を傾げた。
「我々もそこが不思議でならぬ…。だが、悩んでいる暇も無い。ヤツらがこの里を襲撃して来るのも時間の問題だろう。そうなったらとても我らの戦力だけでは防ぎきれない。そこで君の力を借りたいのだ。突然の事で申し訳無いが頼む。この通りだ」
そう言うと長老はリュウジュの前に頭を下げた。
「そ…そんな、長老さん!頭を上げてください」
「私からも頼む。里を救って欲しい」
サラも長老に倣いリュウジュに頭を下げた。
リュウジュは少し困ったようにライアとアナシアを見た。二人は黙って頷く。それでリュウジュは腹を決めた。
「…分かりました!僕達で良ければ協力します」
「おぉ!やってくれるか」
「ありがとう!リュウジュ」
サラと長老はリュウジュの肩を叩いて喜んだ。こうして彼らはエルフの里を救うべく、トロルの群れと戦う事を決意したのである。

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