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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 45

「う…っ!!!!」
「ア…アナシアさん!!!」
「チクショ〜!卑怯だぞゲスオ!!」
「ゲ…ゲスオぉ!!?ふざけんな!!!俺様は“ゲズマ”様だっつてんだろ!!!決めた!テメェは殺す!!今すぐ殺す!!!」
ゲズマは一度収めた剣を再び抜いてライアに斬りかかろうとした。
その時、手下の一人が大慌てでゲズマの元に駆け付けて来た。
「お…お頭ァ!!!た…大変でさぁ!!!」
「一体どうしたってんだ!!?こんな時に!!」
「む…向こうから傭兵の一団がこっちに向かって来やす!!!逃げましょう!!!!」
「な…何だとぉ…!!!?」
見ると、本当に道の向こうから50人ぐらいの武装した男達がゾロゾロとやって来るではないか。
「や…野郎共!!!一旦引き上げだぁ!!!!テメェら、命拾いしたな!!?」
ゲズマの号令一下、盗賊達は瞬く間に逃げ去った。
「リュウジュさぁーん!!!!」
その中、リュウジュはアナシアが自分の名を叫ぶのをハッキリと聞いた。
「アナシアさぁん!!!!ライアさん!ヤツらを負いましょう!!アナシアさんを助けなきゃ!!」
「待ちな!ここで焦って追いかけてもヤツらの迎撃に遭うのがオチだ。悪党共は逃げるのが上手いからねぇ」
「そ…そんな…」
リュウジュはガクッと地面に両膝を付いた。
「気持ちは分かるが、焦りは最大の敵だよ。大丈夫。ヤツらにとってもアナシアは大事な人質だ。危害を加えるような真似はしないだろうさ」
それだけ言うとライアはリュウジュを優しく抱きしめた。
リュウジュの瞳に涙が浮かんでいるのが見えたからだ。
リュウジュはライアの胸に顔を埋めて声を殺して泣いた。

「こ…これは…!?」
村にやって来た傭兵達は破壊された家々を見て大変驚いていた。リーダー格の男が大声でリュウジュとライアに詰め寄った。
「一体何が起きたんだ!?村の者はどうした!?」
「盗賊に襲われたのさ。村人は逃げて無事だけどね」
「お前達は何者だ?まさか盗賊の仲間じゃないだろうな!?」
傭兵達は武器を手に二人を取り巻く。
「おいおい、ちょっと待ちなよ。私達は…」
「待って叔父さん!!その人達は悪い人達じゃないのよ!!!」
ライアが説明しようとした所に、エレンの声が割って入った。見ると、ヨランダや逃げた村人達も居る。皆、盗賊が去ったので戻って来たのだ。

聞けばこの傭兵達はこの村の男達で、農業だけでは食べて行けないこの小さな村で、生計の足しにするため、農閑期には傭兵として出稼ぎに行っているのだという。
「なるほど…残ってるのは女子供や爺さん婆さんばかりって訳だ」
盗賊達もそれを見越してこの村に狙いを定めてきたのだろう。
傭兵の隊長でヨランダの弟でもある男が言った。
「疑って済まなかった。姉や姪を始め、村の者達を助けてくれてありがとう。しかしそのためにあなた方の仲間が浚われてしまった。救い出すなら是非我々にも手伝わせてくれ!出来る限りの協力をしよう」
「ありがとうございます!心強いです」
リュウジュは涙を拭って言った。
「それじゃあまず盗賊共の居場所を探さないとね…ああいうヤツらは必ず拠点を築くんだ。奪った物を保管しとかなきゃならないからね」
冒険者であるライアは同じアウトローな連中の事には詳しい。傭兵の一人が言った。
「この近くの森の中に昔の砦があるんだ。アジトにするならきっとそこだ!」

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