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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 42

「どっちかを人質に取ってはどうでやすか!?」
「バカ!誰があんなバカ強いヤツら取り押さえるんだ!?それより逃げ遅れた村人を捕まえて来い!」
「おぉ!!さすがお頭!悪知恵を働かせたらこのフィルガイアで右に出るヤツぁいねえ!!」
「ツベコベ言ってねぇで早く行け!」
「へい!!」
子分達は頭の元を離れた。

「……」
アナシアは先ほど斬られた男の傷口に手をかざして目を閉じて念じていた。
すると彼女の手先がポワァ…と光り、見る間に傷は塞がっていった。
「ふう…これで大丈夫です」
「あ…ありがとうございます。神官様」
「いいえ、神に仕える者として当然の事です。さぁ、あなたも早く妹さんの所へ…」
男はアナシアに礼を言いながら他の村人達の後を追って行った。
「凄いわ!アナシアさん」
「ええ。あんな深い傷をほんの数秒で治してしまうなんて…」
「あ…あなた達!どうして…!?」
そこに居たのはエレンとヨランダだった。もうとっくに逃げたと思っていたのに…。
「ごめんなさい。どうしてもあなた方が心配で…」
「リュウジュを見捨てて逃げるなんて出来ないわ!」
「そのお気持ちだけで充分です。ここは私達に任せて…」
アナシアはヨランダとエレンに逃げるよう促そうとした。
その時である。
「ヘヘヘ…お嬢さん達ぃ」
3人の前に盗賊達が現れた。
「キャア〜ッ!!?」
エレンはヨランダに抱き付いて悲鳴を上げた。
アナシアは母娘と盗賊達の間に立ち塞がって言った。
「ヨランダさん!エレンさん!ここは私に任せて逃げてください!!」
「で…でもアナシアさん、アナタは…」
「私は大丈夫です!早く!!」
本当は全く大丈夫ではないのだが、衆生を救うのも神官の務めである。
母娘は逃げた。
「おいおい、尼さんよぉ。テメェは逃げなくて良いのかい?」
盗賊の一人がニヤニヤ笑いながらアナシアに言った。
だが彼女は逃げる訳にはいかなかった。母娘が安全な場所に逃げるまで時間を稼がなければならない。
「アナタ達!こんな事をして…神々が許しませんよ!!」
「ケッ!神様が恐くて盗賊家業が出来るかってんだ!!」
アナシアは右手を高く掲げて叫んだ。
「ライティング!!」

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