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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 21

そもそも異世界に飛ばされた時点で、既に何らかの宿命を負わされたと考えるのが妥当なのであろうが…。
しかし、自分に世界を救うなどという大それた事が成し遂げられるのであろうか。
(正直、出来る気がしないなぁ…)
だが、こうも考えるのだ。
(もし僕にこの世界を…ライアさんやアナシアさんやその他全ての人達を救う力があるんなら…僕はみんなを見捨てるなんて事は出来ないよなぁ…)
とりあえず今は、自分が勇者なのか、それとも偶然飛ばされただけなのかが、はっきり分からない状態だ。
ここは焦らず、成り行きに身を任せようとリュウジュは思った。
もし本当に自分に与えられた運命があるならば、嫌でもその方向に導かれていくはずだ。

「ライアさん、そろそろ日も暮れるし、野宿にしようか」
見れば既に西の空は朱に染まっている。
「ああ、夜は馬車の移動は危険だからね」

三人は街道から少し離れた場所に馬車を止めた。
「さて、晩飯だ!」
そう言うとライアは馬車に積んでいた干し肉などの保存食を出してきた。
それを見たアナシアが口を挟む。
「ちょっと待ってください!保存食はいざという時のために極力とっておかなければダメです」
「何だよ〜、じゃあどうするんだよ今夜の飯〜!」
アナシアは辺りを見渡して言った。
「せっかく周りに食べられる草や木の実があるんですから、これを使ってスープを作りましょう」
「誰が作るんだよ…」
「お任せ下さい。こう見えて私、料理は得意なんですよ?」
そう言うとアナシアはポンと自分の胸を叩いた。
「ええ〜!?今から草やら木の実やらを集めるのかい?面倒くさいねぇ…だいたい、夜に動き回るのが危ないから野宿しようって決めたのに…」
「良いじゃないライアさん。一食分の材料なんて日が暮れる前に集められるよ(それにアナシアさんの料理食べたいし…)」
「リュウジュがそう言うんなら…」
なんだかんだでリュウジュには甘いライアだった。

三人は食材を集めるため、森に入った。
「ライアさん、これ食べられる?」
「ん?どれどれ…」
リュウジュの手には毒々しい色のキノコが握られていた。
「そりゃあ毒キノコだよ。良いかい?これが食べられる植物だよ」
ライアは手に持ったカゴの中をリュウジュに見せてやった。
「カスセリ、ゴミナズナ、クズワラビ…」
「なるほど…似てるのが多いから気を付けないとな…」
「ちなみにね…」
ライアは少し声を潜め、傍にある木の根元を指差してリュウジュに言った。

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