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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 20

「今から500年ほど前の話です…」
アナシアは語り出した。
「その頃にも大規模な魔族の侵攻があり、今と同じようにこのフィルガイアの半分以上が魔族の手に落ちてしまいました。人々の間に恐怖と絶望が広がる中、異世界から来たという一人の剣士が現れたのです。彼は光り輝く不思議な剣を使い、たちまちの内に魔族達を退治してフィルガイアに平和を取り戻しました。人々は感謝と畏敬の念を込めて彼を“異界の光”と呼び、今に語り伝えているのです」
「それで、その“異界の光”が僕とどう関係してるんです?」
「言い伝えによると“異界の光”と呼ばれた剣士は銀色の髪に紅の瞳をしていたのです。つまりリュウジュさんと同じなんですよ」
「それにその刀さ!」
今度はライアがリュウジュの刀を指して説明した。
「元々フィルガイアの剣と言えば両刃の直刀しか無くて、リュウジュが持ってるような片刃の曲刀は無かったんだ。そういう形状の剣が作られるようになったのは今から約500年くらい前からだって言われてる…」
「それって…」
「そうです。ちょうど“異界の光”が現れた時代です」
「だからいわゆる『刀』は“異界の光”によってフィルガイアにもたらされたと考えられてるのさ」
「刀の刀身に彫られているこの不思議な象形文字もその時に一緒に伝わったとされているんですよ。形状が複雑な上に数も多いので、広くは普及せず、読める者も少ないですが…」
「500年前か…」
リュウジュは日本刀にそっくりな形状の刀を眺めながら考えた。500年前と言えば戦国時代あたりだ。もしかしたらその時代にも日本からフィルガイアに飛ばされた人が居たのかも知れない。今の自分と同じようにである。
「ちょっと待ってよ!?じゃあ僕も魔族と戦わなきゃいけないの!!?」
「アハハハ…そうだねぇ!よろしく頼むよ、勇者様!」
「うふふ…確かに、ここまで揃ってるなんて…もしかしたら本当にリュウジュさんは二代目の“異界の光”なのかも知れませんね」
とは言うものの、二人の口調は冗談半分であった。
二人には目の前の小柄で華奢な美少年が世界を救う勇者だとは、とても思えなかった。
しかし、リュウジュ本人は違った。
実際彼は異世界から飛ばされて来たのだ。
自分がその“異界の光”である可能性は極めて高い。
(参ったなぁ…せっかくファンタジー風の異世界に来てライアさんやアナシアさんみたいな綺麗な女の人達と冒険の旅を楽しもうと思ってたのに…とんでもない運命を背負わされちゃったかも知れないぞ…?)

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