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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 19

「どうなんだいリュウジュ?それともそれも秘密なのかい?」
「いやぁ…その…何というか…」
いつ、どうして、あのような技が使えるようになったのか…それはむしろリュウジュ自身が知りたいくらいだった。
「正直、僕にも良く分からないんだよ…」
リュウジュは話し始めた。
「僕は元々少しだけなら剣を使えたんだ。僕の幼なじみに剣道の師範の娘がいて、小さい頃からその子に良く稽古を付けてもらってたんだ。半ば無理矢理だったけどね…」
「ケンドー…?」
「シハン…?」
ライアとアナシアは聞き慣れない言葉に首を傾げた。
「剣術の先生だよ。その子自身も師範代…つまり門下生の中から道場の後継ぎに選ばれるくらい強かったんだけどね…」
「なるほど…その方がその不思議な剣術を教えてくださったのですね?」
「うんん、違うんだ。僕があの技を使えるようになったのは初めてライアさんと出会った日なんだよ」
「え!あの日からなのかい?」
「うん。あの日、森の中で男達に襲われそうになってるライアさんを見て、とっさに『助けなきゃ!』って強く願ったら、なぜか分からないけど使えたんだ。信じられないかも知れないけど…」
リュウジュはポリポリと頭を掻きながら言った。
「確かに不思議なお話ですねぇ…もしかして、ライアさんを助けたいという強い思いが、リュウジュさんの潜在能力を覚醒させたのかも知れませんねぇ」
「リュウジュぅ〜、嬉しいよ!そんなに私の身を心配してくれたんだね〜!?」
ライアは感激して御者席からリュウジュの方に身を乗り出し、リュウジュに抱きつこうとした。
「わあぁ〜〜っ!!!?ライアさん!前見て!前!!」
「運転中に何て事するんですか!!!」
「何だよ〜」
渋々諦めて前に戻るライア。

「でも、人を助けようとして今まで眠っていた力が目覚めるなんて…リュウジュさんはとても正義感の強いお方なんですね」
「い…いやぁ…そんな事無いですよ」
アナシアに誉められて照れるリュウジュ。
アナシアはそんなリュウジュの腰の刀に目をやりながら尋ねた。
「あの、もし良かったらお腰の物を拝見してよろしいでしょうか?」
「良いですよ。アナシアさんになら喜んで…」
リュウジュは嬉しそうにアナシアの前に刀を差し出した。

アナシアが刀を抜くと、鈍い光を放つ刃が現れた。
「これは素晴らしい刀ですねぇ…あら?」
アナシアは刀に銘(刀身に彫られた文字)があるのを見つけた。
「これって…!?」
リュウジュは驚いた。
それは何と漢字で『種大』と彫られているではないか。
「これは…タネヒロですね」
「アナシアさん!その字が読めるんですか!?」
「ええ、少し…」
平然と答えるアナシア。
どういう事なのだろう。
なぜこのフィルガイア世界に漢字が存在しているのだろうか?
刀ならば偶然に似通った物が考案され、作られているという可能性もあるが、文字となると…しかも発音も同じだ。
「種大は結構な名刀と聞いてますが、どちらで買われたのですか?」
「…え!?…ええと…それは…そのぉ…あ!旅の途中で拾ったんですよ!道に落ちてて…はい…もちろん持ち主が見つかったら返しますけど…」
何しろ種大はフィルガイアに来た直後、ライアに絡んでいた男共から奪い取った物だ。
悪人の物とは言え、盗品を使っているのをアナシアに知られたくなかったリュウジュは咄嗟に嘘を付いてしまった。
ライアの方をチラッと見てみると、手綱を握ったまま口笛を吹いている。
「〜〜♪」
どうやら特にバラす気は無いようだ。
(ありがとう…ライアさん…)
リュウジュは心の中でライアに礼を言った。


「そうだわ!わかりました」
アナシアは急に何かに気付いたようにポンと手を叩いて言った。
「は…?」
「リュウジュさんを見ていると何か引っ掛かる事があったんですが、それが分かったんです。伝説の勇者“異界の光”です!」
「ああ…あれかぁ!確かに髪と眼の色とか、光る刀とか…そっくりだよ!」
ライアも分かったような口ぶりだ。
リュウジュは尋ねた。
「あの、何なんですか?イカイノヒカリって…」

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