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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 16

「失礼な事を言わないでください!神々に誓って約束はお守りいたします!」
アナシアは自信満々に宣言した。
こうしてリュウジュはライア、アナシアを伴って聖都を目指す事となったのである。


聖都までの道程は長く、徒歩では厳しい。ライアの提案で幌付きの馬車と馬を一頭購入した。
「馬車の旅ってなんとなくのんびりしたイメージだったけど…」
リュウジュは車中でガタゴトと揺られながら手綱を握ったライアに言った。
「い…意外と振動がキツいかも…ねぇ、ライアさん。もっと静かに走れないの?」
「無理言うんじゃないよ。もう少しで街道に出るから、そうすりゃ少しは収まるだろうさ」
ゴムタイヤなど当然無く、木製の車輪の表面に鉄板を打ち付けただけ。振動を緩和するためのスプリングも無い。
地面の凸凹はそのまま伝わって来る。
だが、やがてライアの言った通り、少し幅の広い道に出た。石畳が敷かれており、以前よりは揺れないようになった。
「はぁ…やっと人心地着いたよ〜。アナシアさん、聖都までは何日くらいかかるんですか?」
「そうですね…先輩の話によると、馬車で三ヶ月といった所でしょうか」
「先輩?」
「ええ、あの街まで一緒に旅して来た先輩です。私達は元々ある神殿で神にお仕えしていたのですが、神官長様がお亡くなりになったので各地の神殿を回ってお祈りをお願いしていたのです」
「へぇ…で、その先輩はどうしたんです?」
アナシアは少しうつむいて溜め息混じりに言った。
「彼女はあの街で還俗してしまいました。何でも『運命の男性に出会った』とかで…。私はこの通り、極度の方向オンチで一人旅は不可能ですし…」
「あはは…」
リュウジュは苦笑いするしか無かった。
(…でもそのお陰でアナシアさんと旅出来るんだから、その先輩には感謝しなきゃな〜)
彼は内心でそんな事を考えつつ、再びアナシアに尋ねた。
「それで、アナシアさんの目的地である聖都っていうのは、やっぱりこの世界の宗教の総本山的な街なんですよね?」
リュウジュは今、この世界について少しでも多くの事を知りたかった。
「ええ、そうですが…ご存知ありませんでしたか?」
アナシアは少し呆気に取られたように答えた。
聖都なんて幼い子供でも知っている。
だが目の前の少年はまるで初めて聞いた事のように尋ねて来るのである。

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