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淫蕩王伝
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝 101

 人差し指の第二間接まで舐めようとされたところで、紅音は指を抜く。唇と彼女の指を結ぶ守の唾液。彼女はふんふんと匂いを嗅いだ後、唇に入れる。
「甘い? 気がする。うふふ」
 首を傾げて尋ねるように感想を言う紅音。
 笑うと笑窪が出来るのは、彼女が道場で練習に参加しだした頃から知っている。
 ロリコンでない守は、そのころの彼女を特に意識せず、師範の娘程度にしか考えていなかった。それが変わったのは、彼が中学に入った頃。


 ある日の練習中、自分に果敢に攻めて来る後輩に気骨を感じ、全力で相手した。一年以上歴を重ねる守が負けるはずはなく、周りから見てやりすぎかもしれないという感じに打ち負かした。
 その後は礼を終えて別の後輩の相手をしていたが、歯ごたえのない相手にそれほど熱心に打ち込むことはせず、適当にあしらっていた。
 そして練習のあと、あの後輩に「素質がある」と激励しに行ったら、黄色い悲鳴と色々なものをぶつけられた。
 その頃にしてわかったが、男だと思っていた後輩は女の子であり、師範の娘だった。
 彼は着替え中の女子のいる更衣室へ入ったこと、そして紅音をしこたま打ちのめしたことを師範、そして女子全員に詫びた。
 同学年の女子からはしばらく白い目で見られたが、もともと真面目な性格である彼の勘違いによることだとわかり、すぐに誤解も晴れた。
 師範も最近調子に乗っている紅音によい薬だと笑ってくれ、紅音も次は負けないと意気込んでいた。
 その時はまだ恋心を抱いては居なかった。
 が、彼女が中学に入り、さらに剣道に磨きをかけ、そして少しだけ、本当に少しだけオトナっぽくなったとき、彼の心がざわめいた。
 黙想においても彼女を意識する気持ちが強くなり、師範には隙を突かれ、彼女を前にして本気で打ち込むことが出来なくなった。そのことで師範や紅音から真剣に相手をしてほしいと言われたこともあった。

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