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魔法×ハーレム!!
官能リレー小説 - ハーレム

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魔法×ハーレム!! 33

精一杯勇気を出して言ったティエラは、恥ずかしさに勝てなくなって何も言えないまま真っ赤な顔で、不安をいっぱいにして柳を見ていた。
柳自身はもう少し詳しい解説が欲しかったが、横にいるマリも、心中穏やかでないらしく複雑な表情を浮かべ、それ以上にもやもやした雰囲気を醸し出しているのはマリを見るまでもなく気づいていた。
ティエラがエルフスタン家に生まれながら魔力量が不足している事、それ故に必死に勉学して埋めようと努力を重ねたこと……それらが柳の脳裏に浮かぶ。
(どうする…?断るべきか、それとも……応じたらマリ達に悪いし、こんな事を頼んでくるティエラは、どう見ても覚悟を決めているし、女の子がこんな頼みをしてくるなんてよほどの事だよな……)

「……」
「……」
「ティエラさん」

沈思する柳がどう応じるのか、ティエラとマリが固唾をのんで見守っている。
沈黙を破ったのは、柳だった。

「ごめん」
「えっ」
「そんな…」

マリも驚いたが、ティエラは愕然とした。
だが彼が謝罪した相手は、ティエラでは無かった。

「マリ、こんな事を頼んでくるなんて、女の子にとってよっぽどのことだと思う。そんな彼女の覚悟を断れるほど冷たい人間に、僕はなれない。
……皆には悪いけど、僕はティエラさんのお願いを受け入れる」
「柳ちゃん……」
「えっ……いいんですか?本当に……私、あんな事言ったのに……」
「本当だよ」
「もう……柳ちゃんはお人よしなんだから」

ぱああっ…と、ようやく陽光を得た草花のように、ティエラの表情が明るくなり、瞳を煌めかせた。
柳の横では、軽く苦笑いを浮かべつつも、マリがややわざとらしく肩をすくめていた。
(もう……柳ちゃんったらずるいんだから。これだけ決意を固めた娘の前でそんな真摯な顔をされたら、許してあげるしかないじゃない)


「後でフレッチャーのショコラ奢ってね」
「ごめんね、マリ」

ちゃっかりと有名店のスイーツを要求するマリに、柳も素直に応じた。
女性を宥めるときは、こうした「心の整理をつける手間」への代価も必要なのだ。
マリの声音がどこか冗談めかしていたのは、マリの気遣いだろう。
もう一度マリに軽く頭を下げた柳は、ティエラに顔を向けた。

「所で……肝心の、その時なんだけど、いつがいいかな。どこがいいかな?」
「できれば……早いほうが。場所は……柳さんが決めてくださって構わない」


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