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僕と桃のハーレム計画
官能リレー小説 - ハーレム

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僕と桃のハーレム計画 133

「流石にまだ誰も来てないかぁ」

時は煌めく黄金ウィークに入っていた。
進級後、ひと月ほどが経過した事になる。

「ご主人様。来週の連休は、予定を空けておいていただけますか?」
「お、遊びにでも誘ってくれるのか?桃」
「はい勿論!ご主人様を誘わなくては…始まりませんわ」
先週の放課後、僕と桃との会話である。
「近くの山へ、キャンプなんていかがです?綺麗な川が流れて、素敵なところなんですよ」
「それはいいな!ちょうど太陽の下、のびのび身体を動かしたかったんだ」
「ふふ……決まりですね。では集合は10時、駅前で」

僕は腕時計を見る。
午前9時、と少し前。
「早く来過ぎたぜ」
昨晩僕は子どものようにうきうきしてうまく寝付けず、朝も早くに目覚めてしまったのだ。
桃からは、ご主人様は何も用意してこなくて大丈夫ですと言われていた。
が、手ぶらというのも何だか気分を高めないので、着替えや水着や諸々、更に何を企てるか
知れない桃の事だから万一に備え、方位磁針や電灯、軽食などをリュックに詰め込んで僕は
寮を出た。
僕らの街の駅は、学園から歩いて行ける距離にある。

(同じ寮から駅に向かうんだし、一緒に行けば良かったかなー?)
そうも思ったが、空は文句なしの快晴。
たまには1人で朝の街を、散歩がてらにぶらついてみるのも悪くない。

(桃の企画って事は、ララ奈々あたりはまず来るだろうな。
 ララもくれば春菜ちゃんも…?あー、蜜柑にも声かければ良かったなぁ)
僕の頬は完全に緩みっ放し。
これから始まるキャンプに想像を巡らし、自然と鼻歌なんかを歌ってみる。
来られそう方を何人かにお声かけておきますね、と桃は話していた。
(キャンプと言えば普通テント泊だよな。
 いくら何でもこないだの別荘みたいに大人数、ってことはないだろ)
流石に今回はエッチな展開は控えることになりそうだ。
それでも、愛すべき者達とわいわいはしゃげると思うと、僕の胸は充分に高鳴るのだった。


まだ時間もある事だし。
さてこれからどうしようかと考えていると……

「ん?なんだアレ」
駅正面で立ちつくしていた僕の目に、道端にきらりと光る何かを認める。
連休初日の朝は平日に比べて人が少ないようだが、
それでも家族連れやカップルなんかがちらほらと歩いていた。

一瞬光ったそのあたりに近づいてみる。
(こ、これって…?)
それは銀の、シンプルな指輪であった。
この手の物にまるで知識のない僕にはよくわからないが、恐らくそれほど高価な品ではない。
(誰かが落としたのかな)
指輪と言えばやはり、持ち主にとっては大切な物であろう。
一応交番にでも届けようかと踵を返すと、そこには。

「……あの、それって…!?」
見知らぬ女の子が立っていた。
「あ、その、ここに落ちてたみたいだから落とし物かなって」
「それ、私のです!このあたりに落としちゃったみたいで…今探していたところなの」

紺を基調とし、きゅっとカラダにフィットしたようなセーラー服姿の彼女。
(見かけない制服だな)
年齢は僕と同じか、一つ下くらい。
耳下までの黒髪を女性的に波立たせ、その子は少しだけ照れた様子で僕を見ていた。
可愛いことは可愛い顔立ちなのだが、いわゆる「どこにでもいる普通の女子高生」
といった雰囲気である。

「見つけてくれて、本当にありがとうございます!よかったあ…」
「いや、僕は別に何も……はい。見つかって良かったですね」
彼女は心底、安堵した表情を浮かべていた。
(彼氏から貰った指輪とかかな?…ちくしょうめぇ)
いかにもリアルが充実していそうな女の子だ。
こんな娘も夜な夜な彼氏にひーひー言わされていると想像すると…なんとなく妬けた。

「じゃ、じゃあ失礼します。本当に助かりましたぁ」
「えと、あ、はい。次は落とさないように気をつけてね」
彼女は去ってゆく。
エロ漫画ではこういう場合、後でお礼がしたいので電話番号を…なんて事になるのだが、
残念ながら現実はそう甘くはない。
(いかんいかん。こんな下心、完全に浮気じゃないか)
今更なにを、と自分に突っ込みつつ、彼女の後ろ姿(主にその美脚)をじっと眺めていた。


「……さて。コーヒーでも飲もうか」
その後しばし近くを宛も無く歩き、目についたコーヒーショップに足を踏み入れた。
店内はまあまあの賑わいで、空席はほとんどないようである。

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