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勾玉キッス☆
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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勾玉キッス☆ 93

「あら、今更負け惜しみ?私はいつもの半分の力も出していないけどね」

幻姫は勝ち誇ったように森崎君を見ている。
あれで半分の力しか出していないなら、幻姫が本気を出した時、森崎君に勝ち目はないわ。
私は森崎君を援護するため立ち上がろうとするけど、さっきまで欲情していた体はまだ十分に癒えていない。
そのまま尻餅を着いてしまう。

「ミヤビさん大丈夫か?」

「わ、私は…大丈夫…くふ…」

 正直、思った以上に体が重い。たぶん雅章君が近くにいるからだろう。
 魂が共鳴しているのか、力が出ないのだ。封印の巫女である私が森崎君の足手まといになるなんて…

「おやおや。ずいぶん余裕よね。そんな役に立たない巫女の心配をするなんて。あたしがあんたをズタズタに
してあげるのにね」

「くっ」

私は臍を噛んだ。その時…

「ずいぶん大きな事を言うんだな。俺はそう簡単にはやられないぜ」

そう言うと森崎君は持っていた仕込み刀を地面に突き立てる。
そして内ポケットからお札を取り出した。
「やれやれ…これで始末書が2枚になっちまったな」

愚痴を溢しながら、両手で印を結び始めたのだ。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前」

森崎君、あなた一体何を…
そう思った時、幻姫の足元にコーヒー缶が転がってきた。
先ほど雅章君を元に戻したお札つきの缶だ。

…まさか!?

「俺の勝ちだ、幻姫!」

「な、何ぃ!?」

次の瞬間、コーヒー缶からものすごい光が、無数の矢になって幻姫に向かって放たれたのだ。
「しまっ…きゃぁあああああああああ!!」

次々に幻姫の体に食い込む光の矢。それが肉を食い破り、ドス黒い体液を辺りに撒き散らす。
あれを食らったら、恐らく幻姫の体は原型を留めてないだろう。
それにしてもいつの間にあんな事を…

「ミヤビさん、これも計算の内ってね」

印を結んだ姿勢まま、森崎君は私に話しかける。

「おっと、油断は禁物だったな」

森崎君は、すぐさまさっき取り出した御札を投げつけた。
投げた札は、弧を描くようにダメージを受けた幻姫の体に張り付いた。
あの御札は…

「おのれ……よくも…」

ふらふらと全身を黒く染めながら森崎君の所に近づいていく。
目を真っ赤にし、全身が傷だらけの幻姫。
その姿はさっきまでとは異なり、醜いものだった。
その時…

「な、なに?こ、これは……」

札からものすごい光が出たかと思うと、そこから周囲に石化していく。
幻姫の体が急速に固まっているのだ。突然の事態にうろたえる幻姫。

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