勾玉キッス☆ 83
私の言葉に雅章クンの顔がパッと明るくなり、瞳が妖しく光る。
目が合った瞬間、私は頭がクラクラする程目眩がした。
もしかして…今のは魔眼?
まだ目覚めたばかりだけど、妖将鬼である私をここまで魅入る事が出来るとは
あの人が言った通りだわ。
ニヤリと口元を綻ばせながら、私は雅章クンに覆い被さり、首筋から胸へと舌で愛撫していく。
敏感な雅章クンは、歓喜の声を上げ私の体に腕を回している。
舐めるたびに、どんどん体が色っぽくなる雅章クン。
彼から出る甘い匂いが、私達の周りに充満してくるみたい。
「ああんっ!幻姫ぃ、もっともっとあたしを弄ってぇ。あんっぁああ…いい…ぁああんん」
「んん……雅章クン、いいよぉ。んん…ちゅぷ…」
再び雅章クンと唇を交す。今度は彼から積極的に舌を絡めてくる。
お互いの肌を感じると、どくんどくんと心臓が高鳴るのを感じる。
私は雅章クンと互いのおっぱいが潰れるくらい肌を合わせた。
「ちゅぷ…んん……う、ふふ。ようやく来たようね。あの巫女が」
雅章クンの唇から離れた時、私はやつらが近づいている事を感じた――――
* * *
ドアを開け屋上に出た時、私――ミヤビ―――は目を疑った。
学校の屋上全体を覆い尽くすドス黒い闇が広がっていたのだ。
さっきの結界とは別の高位の魔物が作り出すことができる闇。
それもかなり強力なモノだ。
この時、私は目眩がしてその場に蹲った。裕美さんが私の肩に手を当てる。
「ど、どうしたのミヤビ?」
「…大丈夫。ちょっと立ち眩みしただけ。…ぁ…」
「でも…顔が赤いよ」
「あふっ…も、もしかして…雅章君の身に…」
嫌な予感がする。さっきから私の体が、異常に火照るのを感じるのだ。
同じ魂である雅章君に何かあったに違いない。
「ミヤビ、急ぎましょう。雅が危ないわ。あの子、多分この闇の中だと思う」
「ええ。その前にこの闇を破らないと…」
「そいつは俺に任せてもらえるかな?」
さっき結界を破った時と同じく、森崎君が刀を持って構えていた。