勾玉キッス☆ 79
「ミヤビ? もういいの?」
「裕美さん、もう充分よ。結界が破れるわ! 危ないから下がって!」
私は結界から少し後ろに下がった。ミヤビも森崎くんも後ろに下がっている。
ミヤビの言う通り、結界に大きなヒビが入っていた。ヒビは結界の四方八方へ走り………
そして。
ガラスが割れるような音が辺りに響き渡った………
屋上へのドアをふさいでいた透明な壁は消え、手を伸ばせば、すぐにドアノブをつかめるようになっていた。
「さあ、のんびりしていられないわ。行きましょ、裕美さん」
「ええ。行きましょう……森崎くん?」
「何だい?」
「もう少しだけ…手を貸してくれる?」
「…へっ。水臭いこと言うんじゃねぇよ。当たり前じゃないか」
そして私は、ゆっくりとドアノブを回し、屋上のドアを開けた………
* * *
2度目の絶頂の後、俺――桐生 雅――は、まるで人形だった。
幻姫に弄ばれながら快楽に浸っている自分。
でも……何かが足りない……
体の芯から、求めてくる答え。
頭の片隅で警告音が鳴り響くが、すぐに掻き消されてしまう。
「うふふっ。雅章クンのイク所、可愛いかったわよ。そうよ雅章クンは、自らの欲望に従って
いればいいのよ……ちゅっ!」
「…ぁあん!!」
幻姫がさっきとは違う体位を変えたかと思うと、俺のたわわな胸の先端を吸った。
ドクンっと心臓が鼓動するとともに、俺は甲高い嬌声をあげていた。
「ふふっ…欲しいんでしょ?私とエッチするよりももっともっと欲しいモノが」
「んはぁ…ち、ちがう。俺は…」
ちくしょう。俺は……
「私が言ってあげましょうか?…うふふっ」
「ふぁああ…あん…やめろ。言うな、俺は、俺は……」
気持ちが焦る。だが、心の奥底ではそれを求めている。
そう、心の奥底にある別の意思が、答えを待っているのだ。
「オ・ト・コ」
心が歓喜する。求めていた答え。
「ふふっ。雅章クンが求めているのは、男の人に抱かれる事なの。……そうか、雅章クンは
犯されるだけではなくて、自らオトコを求めるようになるのよね。このエッチなお○んこが
太いお○んぽに貫かれるのよ」
「ち、ちがう。お、俺は…」
…男なんだ。だから野郎なんかに抱かれるわけにはいかないんだ。
だが、頭で否定しても欲情した女の体は、男を求めている。
さっき幻姫にイカされたのに、きゅんっと下腹部の疼きがますます強くなっている。
このままでは、我慢できなくなりそうだ。