勾玉キッス☆ 70
体を震わせていたのは、やつ――幻姫――だけではなかった。俺の体もピクピクと震えていたのだ。
まるで、幻姫と俺が一糸乱れぬ動きで互いの秘部を舐めているようだった。
「…ちゅぶ…じゅるっ……うあ、あああっ…」
「…じゅる…ちゅっ…ふふっ、いいわ、桐生クン…あぁん、そこ、そこをもっと舐めて。あぁっ、いいっ! 私より上手ぅ…」
甘い二重奏が響く。幻姫が俺以上に感じている。
「あ、あぁっ……私、イッちゃいそう! 人間に……桐生クンに……イかされちゃうっ!」
「…ちゅぷ……ぷあっ…だ…だめ……俺…俺、もう…限……界……」
「イキそう? 桐生クン、イキそうなの? 一緒にイこう! 私と一緒に、気持ちよくなろ!」
幻姫も俺も、体の震えはピクピクでは済まなくなり、体はガクガク震えていた。限界を超えそうだった。
「……あっ、ああぁっ! 俺、もう…ふあっ! あああぁぁあぁぁぁっ!」
「…桐生クン、私も…もう…ら、らめっ、…らめぇっ! あああああぁぁぁっ!」
俺も幻姫も限界を超えてしまい、盛大に潮を吹き出した。俺の秘部から吹き出した潮は幻姫の口に、幻姫の秘部から吹き出した潮は俺の口に勢いよく流れ込んだ………
* * *
「…ハァ…ハァ…ハァ…」
「ハァ……ハァ……ハァ……」
こんなに派手にイッたのは何年ぶりだろう。
肩で大きく息をしながら、私――妖将鬼 幻姫(あっ、みんなは私のこと、『幻姫(げんひ)』って呼んでね)――はふと思った。
私も桐生クンも、互い違いで仰向けになっていた。桐生クンは未だに肩で激しく息をしている。
私はムクリと起き上がると、体の向きを変えた。
桐生クンは余韻が抜けないらしく、腰の辺りがピクピクと震えている。
その姿に、私は胸がキュンとときめいた。
桐生クンを私のモノにしたいと思った。それがダメなら、私が桐生クンのモノになりたい……
けれど、桐生クンは『あの人』にとって、そして『御館様』にとって大事な存在……
それは分かっている。でも………
私は桐生クンをじっと見る。その視線に気付いたのか、桐生クンは目をそらす。
「ねぇ、桐生クン。すごく気持ちよかったわ。桐生クンも気持ちよかったでしょ?」
桐生クンは答えない。
「それに、桐生クンのお潮も美味しかったわ。ほんのり甘酸っぱくて。桐生クンは私のお潮、どうだった?」